時間外取引(After-Hours Trading) とは、証券取引所の通常取引時間外に株式を売買できる取引システムです。米国市場では一般的で、プレマーケット(寄り前)とアフターマーケット(引け後)があります。日本ではPTS(私設取引システム)が該当します。
米国市場の時間外取引
| 時間帯 |
名称 |
時間(米国東部時間) |
| プレマーケット |
Pre-Market |
4:00 AM〜9:30 AM |
| 通常取引 |
Regular Session |
9:30 AM〜4:00 PM |
| アフターマーケット |
After-Hours |
4:00 PM〜8:00 PM |
日本市場のPTS取引
| PTS |
時間 |
特徴 |
| デイタイムセッション |
8:20〜16:00 |
通常取引時間と重複 |
| ナイトタイムセッション |
17:00〜23:59 |
夜間取引 |
時間外取引のメリット
| メリット |
説明 |
| 即座の対応 |
決算発表後すぐに取引可能 |
| 時間的柔軟性 |
日中働く投資家も取引できる |
| ニュース対応 |
海外ニュースに即座に反応 |
| 価格発見 |
翌日の値動きの予測材料 |
時間外取引のデメリット
| デメリット |
説明 |
| 流動性低い |
出来高が少ない |
| スプレッド大 |
買値と売値の差が広い |
| 価格変動大 |
少量の注文で大きく動く |
| 注文方式限定 |
指値注文のみが多い |
時間外取引の活用場面
決算発表:
米国企業は取引終了後に決算発表が多い
→ アフターマーケットで株価が大きく反応
→ 好決算なら即座に買える、悪決算なら即座に売れる
例:
Apple が取引終了後に決算発表
予想を大幅に上回る
→ アフターマーケットで+5%上昇
→ 翌日寄り付きでさらに上昇の可能性
海外ニュース:
日本が夜間の時に米国で大ニュース
→ PTSナイトタイムで日本株を取引
時間外取引の注意点
| 注意点 |
説明 |
| 流動性リスク |
希望価格で約定しない可能性 |
| 価格変動リスク |
少量の注文で大きく動く |
| 情報の非対称性 |
一部の投資家だけが情報を持つ |
| 翌日との乖離 |
翌日の寄り付きで逆方向に動くことも |
流動性の違い
通常取引時間:
出来高: 100万株/日
ビッド: 1,000円
アスク: 1,001円
スプレッド: 0.1%
時間外取引:
出来高: 1万株/日
ビッド: 995円
アスク: 1,010円
スプレッド: 1.5%
→ スプレッドが15倍に拡大
時間外取引の価格変動
| 変動要因 |
説明 |
| 決算発表 |
EPS・売上の上振れ/下振れ |
| ニュース |
M&A、新製品発表など |
| 海外市場 |
米国市場の動きに連動(日本PTS) |
| 大口注文 |
流動性が低く大きく動く |
時間外取引の戦略
| 戦略 |
説明 |
| 決算トレード |
決算発表直後に取引 |
| ギャップ狙い |
翌日の窓開けを予測 |
| リスクヘッジ |
保有株の急落時に売却 |
| 指値待ち伏せ |
有利な価格で指値注文 |
決算発表後の時間外取引例
A社の決算発表(取引終了後):
EPS予想 $2.00 → 実際 $2.50(+25%上振れ)
アフターマーケット:
16:00 取引終了時 $100
16:30 決算発表
17:00 $105(+5%)
18:00 $108(+8%)
20:00 $107(+7%)
翌日:
寄り付き $110(さらに+3%)
→ アフターマーケットで買えば+7%
翌日寄り付きで買えば+0%(すでに織り込み済み)
日本のPTS取引の特徴
ナイトタイムセッション(17:00〜23:59):
・米国市場の動きに連動
・米国市場が急落すると日本株も下落
・翌日の寄り付き価格の予測材料
例:
米国市場が-3%急落
→ PTSで日本株も-2%下落
→ 翌日の寄り付きで-2%は織り込み済み
時間外取引ができる証券会社
| 市場 |
証券会社例 |
| 米国 |
ほぼすべての主要ネット証券 |
| 日本PTS |
SBI証券、楽天証券、松井証券など |
時間外取引の注文方式
| 注文方式 |
可否 |
| 指値注文 |
○(ほとんどの証券会社) |
| 成行注文 |
△(一部のみ) |
| 逆指値 |
×(ほとんどできない) |
| 信用取引 |
×(現物のみ) |
時間外取引の手数料
証券会社により異なる:
・通常取引と同じ手数料
・通常取引より高い手数料
・最低手数料が設定されている場合も
→ 少額取引では手数料負けに注意
時間外取引の実践的なアドバイス
| アドバイス |
説明 |
| 指値注文を使う |
成行は避ける(スプレッド大) |
| 小口で試す |
まずは少額で経験 |
| 流動性確認 |
板の厚さを確認 |
| ニュース確認 |
価格変動の理由を理解 |
| 翌日を意識 |
翌日の値動きも考慮 |
時間外取引のリスク管理
1. ポジションサイズを小さく
通常取引の50%以下に抑える
2. スプレッドを確認
買値と売値の差が大きすぎないか
3. 出来高を確認
極端に少ない時は避ける
4. ニュースの裏取り
誤報や誤解の可能性も
Welvioでの活用
Welvioで保有銘柄の時間外取引価格を確認し、通常取引時間外の価格変動をモニタリングできます(対応証券会社での取引が必要)。