バーゼル規制(Basel Accord) とは、バーゼル銀行監督委員会(BCBS)が策定する、銀行の健全性を確保するための国際的な自己資本規制です。 BIS規制 とも呼ばれます。
バーゼル規制の変遷
| 規制 |
策定年 |
主な内容 |
| バーゼルI |
1988年 |
自己資本比率8%以上の義務化 |
| バーゼルII |
2004年 |
リスク計測の精緻化、3つの柱 |
| バーゼルIII |
2010年 |
自己資本の質と量の強化 |
| バーゼルIII最終化 |
2017年策定、2023年〜段階適用 |
リスク計測の標準化 |
自己資本比率の計算
自己資本比率(%) = 自己資本 ÷ リスクアセット × 100
| 用語 |
説明 |
| 自己資本 |
銀行の純資産(株主資本+内部留保等) |
| リスクアセット |
リスクの大きさに応じて加重した資産の合計 |
バーゼルIIIの自己資本要件
| 区分 |
最低比率 |
内容 |
| CET1(普通株式等Tier1) |
4.5% |
最も質の高い資本 |
| Tier1資本 |
6.0% |
CET1+その他Tier1 |
| 総自己資本 |
8.0% |
Tier1+Tier2 |
| 資本保全バッファー |
+2.5% |
実質的に10.5%以上が必要 |
バーゼルIIの3つの柱
| 柱 |
名称 |
内容 |
| 第1の柱 |
最低所要自己資本 |
信用リスク、市場リスク、オペリスクに対する資本 |
| 第2の柱 |
監督上の検証 |
監督当局による銀行のリスク管理の検証 |
| 第3の柱 |
市場規律 |
情報開示による市場からの規律づけ |
バーゼルIIIで追加された規制
| 規制 |
内容 |
| レバレッジ比率 |
リスクウェイトに依存しない自己資本比率(3%以上) |
| 流動性カバレッジ比率(LCR) |
30日間のストレス下で必要な流動性の確保 |
| 安定調達比率(NSFR) |
長期的な資金調達の安定性 |
| カウンターシクリカルバッファー |
景気過熱時に追加の資本バッファー |
| G-SIBsバッファー |
国際的に重要な銀行への追加資本要件 |
G-SIBs(国際的にシステム上重要な銀行)
| 日本のG-SIBs |
バケット |
追加バッファー |
| 三菱UFJフィナンシャル・グループ |
バケット3 |
+2.0% |
| みずほフィナンシャルグループ |
バケット1 |
+1.0% |
| 三井住友フィナンシャルグループ |
バケット1 |
+1.0% |
投資家への影響
| 影響 |
説明 |
| 銀行の収益性 |
資本規制の強化は ROE を抑制する傾向 |
| 配当政策 |
自己資本を確保するため配当が制限される場合 |
| 貸出行動 |
リスクアセットを抑えるため貸出が慎重化 |
| 銀行株の評価 |
CET1比率が投資判断の重要指標 |
銀行の自己資本比率の見方
| 水準 |
評価 |
| 12%以上 |
十分に健全 |
| 10〜12% |
標準的 |
| 8〜10% |
最低基準は満たすが余裕は少ない |
| 8%未満 |
規制未達、経営改善が必要 |
Welvioでの活用
Welvioで銀行株に投資する際、自己資本比率(CET1比率)を確認してください。バーゼル規制への対応状況は銀行の健全性と将来の配当余力を判断する重要な指標です。