バタフライスプレッド(Butterfly Spread) とは、3つの異なる権利行使価格のオプションを組み合わせるオプション戦略です。株価が特定の価格付近にとどまると予想する場合に有効で、リスクもリターンも限定される特徴があります。損益図の形がチョウの羽に似ていることが名前の由来です。
バタフライスプレッドの基本構造
コール・バタフライスプレッドの構成:
1. 低い行使価格のコールを1枚買い
2. 中間の行使価格のコールを2枚売り
3. 高い行使価格のコールを1枚買い
※ 3つの行使価格は等間隔
例(A社株 現在値1,000円):
買い: 行使価格 950円 コール 1枚
売り: 行使価格 1,000円 コール 2枚
買い: 行使価格 1,050円 コール 1枚
損益の仕組み
最大利益:
株価が中間の行使価格(1,000円)ぴったりの時
= 行使価格の間隔 - 支払いプレミアム
最大損失:
株価が上下の行使価格を超えた場合
= 支払いプレミアム(初期コスト)のみ
損益分岐点:
下側: 低い行使価格 + 支払いプレミアム
上側: 高い行使価格 - 支払いプレミアム
バタフライスプレッドの具体例
前提:
A社株 現在値 1,000円
ポジション:
買い: 950円コール(90円) → -90円
売り: 1,000円コール(60円)×2 → +120円
買い: 1,050円コール(40円) → -40円
────────────────────────
初期コスト = -90 + 120 - 40 = -10円
満期時の損益:
株価 900円: 全オプション無価値 → 損失 -10円
株価 950円: 全オプション無価値 → 損失 -10円
株価 975円: 950コール +25円 → 利益 +15円
株価1,000円: 950コール +50円 → 利益 +40円(最大利益)
株価1,025円: 950コール +75、1000コール×2 -50 → 利益 +15円
株価1,050円: 950コール +100、1000コール×2 -100 → 損失 -10円
株価1,100円: 相殺 → 損失 -10円
バタフライスプレッドの損益表
| 株価 |
損益 |
| 950円以下 |
-10円(最大損失) |
| 960円 |
±0円(損益分岐点) |
| 975円 |
+15円 |
| 1,000円 |
+40円(最大利益) |
| 1,025円 |
+15円 |
| 1,040円 |
±0円(損益分岐点) |
| 1,050円以上 |
-10円(最大損失) |
バタフライスプレッドの種類
| 種類 |
構成 |
見通し |
| ロング・コール・バタフライ |
コールで構成 |
横ばい予想 |
| ロング・プット・バタフライ |
プットで構成 |
横ばい予想 |
| アイアン・バタフライ |
プット売り+コール売り+両端買い |
横ばい予想 |
| ブロークン・ウイング |
行使価格が非等間隔 |
やや方向感あり |
バタフライスプレッドのメリット
| メリット |
説明 |
| リスク限定 |
最大損失は初期コストのみ |
| 低コスト |
カレンダースプレッドより安い場合が多い |
| 高い利益率 |
コスト対比のリターンが大きい |
| 横ばい相場で有効 |
株価が動かなくても利益 |
バタフライスプレッドのデメリット
| デメリット |
説明 |
| 利益範囲が狭い |
中間の行使価格付近でしか利益が出ない |
| 手数料 |
3つのオプション取引で手数料がかかる |
| 流動性 |
3つの価格帯すべてに十分な流動性が必要 |
| タイミング |
満期日に近いほど効果的だが管理が必要 |
他のオプション戦略との比較
| 戦略 |
コスト |
最大利益 |
最大損失 |
適した相場 |
| バタフライ |
低い |
中程度 |
低い |
横ばい |
| ストラドル売り |
プレミアム受取 |
プレミアム |
無制限 |
横ばい |
| カレンダースプレッド |
中程度 |
中程度 |
中程度 |
横ばい |
| アイアンコンドル |
プレミアム受取 |
プレミアム |
限定 |
横ばい |
バタフライスプレッドに適した環境
| 環境 |
理由 |
| レンジ相場 |
株価が一定範囲にとどまる |
| 低ボラティリティ予想 |
大きな値動きがない見込み |
| 決算後 |
ボラティリティが低下するタイミング |
| 満期が近い |
時間価値の減衰を活用 |
Welvioでの活用
Welvioで保有銘柄のボラティリティと価格推移を分析し、レンジ相場と判断した場合にバタフライスプレッド戦略の検討に活用できます。