カレンダースプレッド(Calendar Spread) とは、同じ原資産・同じ権利行使価格のオプションについて、期近(短い満期)を売り、期先(長い満期)を買う戦略です。タイムスプレッドとも呼ばれ、時間価値の減衰速度の違いを利用して利益を狙います。
カレンダースプレッドの基本構造
構成:
・期近オプションを1枚売り
・期先オプションを1枚買い
(同じ原資産、同じ権利行使価格、同じ種類)
例(コールオプションの場合):
売り: A社 権利行使価格1,000円 満期1ヶ月後のコール
買い: A社 権利行使価格1,000円 満期3ヶ月後のコール
→ 期近を売って受け取るプレミアム < 期先を買って払うプレミアム
→ スプレッドの構築時はネットでコスト(デビットスプレッド)
なぜ利益が出るのか
時間価値の減衰(タイムディケイ):
・期近オプション: 時間価値の減少が速い
・期先オプション: 時間価値の減少が遅い
期近の満期到来時:
・売ったオプション: 時間価値がほぼゼロに
・買ったオプション: まだ時間価値が残っている
→ この差が利益の源泉
最も利益が出る条件:
株価が権利行使価格付近で推移(横ばい相場)
カレンダースプレッドの損益イメージ
| 株価の動き |
結果 |
| 権利行使価格付近で推移 |
最大利益(タイムディケイの差が最大) |
| 小幅な変動 |
利益が出やすい |
| 大幅上昇 |
両方のオプションが深い ITM で差が縮小 |
| 大幅下落 |
両方のオプションが無価値に近づく |
カレンダースプレッドの種類
| 種類 |
構成 |
見通し |
| コール・カレンダー |
コールの売り+買い |
やや強気〜中立 |
| プット・カレンダー |
プットの売り+買い |
やや弱気〜中立 |
| ダブルカレンダー |
異なる行使価格で2組 |
中立(レンジ相場) |
| リバースカレンダー |
期近買い+期先売り |
大きな値動きを予想 |
カレンダースプレッドのメリット
| メリット |
説明 |
| リスク限定 |
最大損失はスプレッドの構築コスト |
| 横ばい相場で利益 |
株価が動かなくても利益 |
| タイムディケイを味方に |
時間の経過が利益に |
| 低コスト |
オプション同士の差額で済む |
| ボラティリティ上昇で有利 |
期先オプションの価値が増加 |
カレンダースプレッドのデメリット
| デメリット |
説明 |
| 利益の上限あり |
大幅な利益は見込めない |
| 大きな値動きに弱い |
急騰・急落で損失 |
| 管理が複雑 |
2つのオプションの管理が必要 |
| 流動性リスク |
マイナーな銘柄は取引しにくい |
カレンダースプレッドの実例
前提:
・A社株 現在値 1,000円
・1ヶ月後満期のコール(行使価格1,000円): 50円
・3ヶ月後満期のコール(行使価格1,000円): 90円
構築:
売り: 1ヶ月後コール → +50円 受取
買い: 3ヶ月後コール → -90円 支払
→ 初期コスト = 40円(最大損失)
1ヶ月後(期近満期時):
・株価1,000円の場合:
売りコール → 無価値で消滅(50円の利益確定)
買いコール → 時間価値が残る(例: 70円)
→ 利益 = 70 - 40 = 30円
・株価1,200円の場合:
売りコール → 200円の損失
買いコール → 220円の価値
→ 利益 = 220 - 200 - 40 = -20円(損失)
カレンダースプレッドに適した環境
| 環境 |
理由 |
| レンジ相場 |
株価が権利行使価格付近で推移 |
| 低ボラティリティ |
ボラ上昇で期先の価値が増加しやすい |
| 決算前 |
決算後にボラ低下で期近の価値が減少 |
| 重要イベント前 |
イベントを跨ぐ期先の価値が上昇 |
関連するオプション戦略
| 戦略 |
説明 |
| バーティカルスプレッド |
同じ満期、異なる行使価格 |
| ダイアゴナルスプレッド |
異なる満期、異なる行使価格 |
| アイアンコンドル |
レンジ相場向け4本の組み合わせ |
| ストラドル |
大きな値動きを狙う |
Welvioでの活用
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