減価償却(Depreciation) とは、建物や機械設備などの固定資産の取得費用を、その資産の耐用年数にわたって費用として配分する会計処理です。実際の現金支出を伴わない「非現金費用」です。
減価償却の考え方
機械を1,000万円で購入(耐用年数10年)
購入時に1,000万円を全額費用計上すると:
→ その年だけ大赤字、翌年から利益急増
減価償却を使うと:
→ 毎年100万円ずつ費用計上
→ 費用と収益が対応する
減価償却の計算方法
| 方法 |
計算式 |
特徴 |
| 定額法 |
取得価額÷耐用年数 |
毎年同額 |
| 定率法 |
未償却残高×償却率 |
初期に多く計上 |
定額法の例
取得価額: 1,000万円
耐用年数: 10年
残存価額: 0円
毎年の償却費 = 1,000万円 ÷ 10年 = 100万円
1年目: 100万円
2年目: 100万円
...
10年目: 100万円
減価償却の対象資産
| 対象 |
非対象 |
| 建物 |
土地 |
| 機械設備 |
棚卸資産 |
| 車両 |
美術品(一部) |
| 器具備品 |
有価証券 |
| ソフトウェア |
現金 |
減価償却とキャッシュフロー
減価償却は「非現金費用」:
損益計算書: 減価償却費100万円を計上
→ 利益が100万円減少
キャッシュフロー計算書:
営業CF = 純利益 + 減価償却費
→ 現金は減っていないので加算
EBITDAと減価償却
EBITDA = 営業利益 + 減価償却費
減価償却を加算することで:
→ 設備投資の多寡による影響を除去
→ 本業のキャッシュ創出力がわかる
減価償却の投資への影響
| 観点 |
影響 |
| 利益 |
減価償却費が多いと利益↓ |
| キャッシュ |
実際の現金は流出しない |
| 税金 |
費用計上で節税効果 |
| 設備更新 |
古い設備は償却費↓→利益↑ |
減価償却と設備投資
| 状況 |
意味 |
| 減価償却費 > 設備投資 |
設備投資を抑えている |
| 減価償却費 < 設備投資 |
積極的に設備投資中 |
| 減価償却費 ≒ 設備投資 |
設備の維持更新レベル |
減価償却の注意点
| 注意点 |
説明 |
| 会計と税務の差 |
耐用年数が異なる場合あり |
| 償却方法の変更 |
利益操作の可能性 |
| 減損との違い |
減損は価値下落時の一括費用 |
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