配当割引モデル(Dividend Discount Model / DDM) とは、企業が将来支払う配当金を現在価値に割り引くことで、株式の理論価格(本質的価値)を算出するバリュエーション手法です。
基本の考え方
株式の価値は、将来にわたって受け取るすべての配当の現在価値の合計であるという考え方に基づいています。
株式の理論価格 = D₁/(1+r)¹ + D₂/(1+r)² + D₃/(1+r)³ + ...
- D₁, D₂, D₃... :各期の予想配当金
- r :割引率(株主の要求収益率)
ゴードン成長モデル(定率成長DDM)
配当が毎年一定の成長率 g で成長すると仮定した場合、計算式は以下のように簡略化されます。
理論株価 = D₁ / (r - g)
- D₁ :来期の予想配当金
- r :割引率(要求収益率)
- g :配当成長率(r > g が条件)
DDMの種類
| モデル | 前提 | 特徴 |
|---|---|---|
| ゼロ成長モデル | 配当が永久に一定 | 最もシンプル。理論株価 = D / r |
| 定率成長モデル(ゴードン成長モデル) | 配当が一定率で永久に成長 | 成熟企業に適用しやすい |
| 二段階成長モデル | 高成長期と安定成長期の2段階 | 成長企業の評価に有用 |
| 多段階成長モデル | 複数の成長段階を設定 | より柔軟だが計算が複雑 |
計算例(ゴードン成長モデル)
来期の予想配当 D₁ = 100円
割引率 r = 8%
配当成長率 g = 3%
理論株価 = 100 / (0.08 - 0.03) = 100 / 0.05 = 2,000円
DDMのメリットと限界
| 項目 | メリット | 限界 |
|---|---|---|
| シンプルさ | 計算が比較的容易 | 無配当企業には適用できない |
| 理論的基盤 | ファイナンス理論に基づく | 配当成長率の予測が難しい |
| 長期視点 | 長期的な企業価値を評価できる | 割引率の設定に主観が入る |
| 配当重視 | 安定配当銘柄の評価に適する | 成長率が割引率に近いと結果が不安定 |
Welvioでの活用
保有する高配当銘柄について配当割引モデルで理論株価を試算し、現在の株価と比較して割安・割高の判断に役立ててください。