固定相場制(Fixed Exchange Rate System) とは、自国通貨の為替レートを特定の通貨(主に米ドル)や基準に対して一定水準に固定する通貨制度です。 ペッグ制 とも呼ばれます。
固定相場制の基本
| 項目 |
内容 |
| 定義 |
為替レートを特定の水準に固定する制度 |
| 維持方法 |
中央銀行の為替介入、外貨準備 |
| 採用国の例 |
香港、サウジアラビア、UAE |
| ペッグ先 |
主に米ドル |
固定相場制の種類
| 種類 |
説明 |
採用例 |
| カレンシーボード |
法律で為替レートを固定 |
香港(1ドル=7.8香港ドル) |
| 通常のペッグ |
中央銀行が介入で維持 |
サウジアラビア |
| クローリングペッグ |
段階的にレートを調整 |
一部の新興国 |
| 通貨バスケットペッグ |
複数通貨の加重平均に連動 |
シンガポール(管理型) |
| 通貨統合 |
共通通貨を採用 |
ユーロ圏 |
固定相場制のメリット・デメリット
| メリット |
デメリット |
| 為替変動リスクの排除 |
独立した金融政策が困難 |
| 貿易・投資の安定 |
大量の外貨準備が必要 |
| インフレ抑制効果 |
通貨危機のリスク |
| 物価の安定 |
経済の不均衡が蓄積 |
国際金融のトリレンマ
固定相場制を理解するうえで重要な概念が 国際金融のトリレンマ です。以下の3つを同時に達成することはできません。
| 要素 |
説明 |
| 固定相場制 |
為替レートの安定 |
| 独立した金融政策 |
自国の景気に応じた金利調整 |
| 資本の自由な移動 |
国際的な資金の流出入を制限しない |
固定相場制を選択 → 金融政策の独立性 or 資本移動の自由 を犠牲にする
変動相場制を選択 → 金融政策の独立性 と 資本移動の自由 を両立できる
固定相場制が崩壊した事例
| 事例 |
年 |
内容 |
| ポンド危機 |
1992年 |
ジョージ・ソロスの投機で英ポンドがERMを離脱 |
| アジア通貨危機 |
1997年 |
タイバーツの固定相場制崩壊が連鎖 |
| アルゼンチン危機 |
2001年 |
カレンシーボード制の崩壊 |
| スイスフランショック |
2015年 |
対ユーロの上限撤廃で急騰 |
投資家への影響
| 影響 |
説明 |
| 安定した為替 |
ペッグ通貨建て投資は為替リスクが小さい |
| 通貨危機リスク |
ペッグが崩壊すると急激な為替変動 |
| 金利水準 |
ペッグ先の金利に追随する傾向 |
| カントリーリスク |
外貨準備の状況を確認する必要 |
Welvioでの活用
Welvioで香港ドルやサウジリヤルなどペッグ通貨建ての資産を管理する際、為替リスクが低い一方で通貨危機のリスクがあることを意識してください。外貨準備の推移などにも注目しましょう。