グリークス(Greeks、ギリシャ指標) とは、オプション価格がさまざまな要因の変化に対してどの程度感応するかを測定する指標群です。ギリシャ文字で表記されることからグリークスと呼ばれます。
4大グリークス
| グリーク |
記号 |
測定対象 |
| デルタ(Delta) |
Δ |
原資産価格の変動に対する感応度 |
| ガンマ(Gamma) |
Γ |
デルタの変化速度 |
| シータ(Theta) |
Θ |
時間経過に対する感応度 |
| ベガ(Vega) |
ν |
ボラティリティ変動に対する感応度 |
デルタ(Δ)
デルタ = オプション価格の変化 ÷ 原資産価格の変化
コールオプション: 0 〜 +1.0
プットオプション: -1.0 〜 0
例:
デルタ = 0.5のコール
原資産が100円上昇 → オプション価格が50円上昇
ITM(イン・ザ・マネー): デルタが1に近い
ATM(アット・ザ・マネー): デルタが約0.5
OTM(アウト・オブ・ザ・マネー): デルタが0に近い
ガンマ(Γ)
ガンマ = デルタの変化 ÷ 原資産価格の変化
特徴:
・ATMオプションでガンマが最大
・満期が近いほどガンマが大きい
・ガンマが大きい = デルタが急変しやすい
例:
ガンマ = 0.03
原資産が100円上昇
→ デルタが0.50から0.53に変化
シータ(Θ)
シータ = オプション価格の変化 ÷ 時間の経過(1日)
特徴:
・買い手にはマイナス(毎日価値が減少)
・売り手にはプラス(毎日利益が増加)
・ATMオプションでシータが最大
・満期が近いほどシータが大きい
例:
シータ = -5円
→ 毎日5円ずつオプション価格が減少
ベガ(ν)
ベガ = オプション価格の変化 ÷ IV(インプライドボラティリティ)の変化
特徴:
・IVが1%上昇した時のオプション価格の変化
・ATMオプションでベガが最大
・残存期間が長いほどベガが大きい
例:
ベガ = 10円
IVが20%から22%に上昇(+2%)
→ オプション価格が20円上昇
グリークスの一覧表
| グリーク |
買い手 |
売り手 |
影響要因 |
| デルタ |
コール+、プット- |
逆 |
原資産価格 |
| ガンマ |
プラス |
マイナス |
原資産の変動幅 |
| シータ |
マイナス |
プラス |
時間経過 |
| ベガ |
プラス |
マイナス |
ボラティリティ |
グリークスを使ったリスク管理
デルタヘッジ:
ポートフォリオ全体のデルタをゼロに調整
→ 原資産の方向性リスクを排除
例:
コール100枚保有(デルタ=0.5)
ポートフォリオデルタ = 100 × 0.5 = +50
ヘッジ:
原資産を50単位売り → デルタ = 0(中立)
戦略とグリークスの関係
| 戦略 |
デルタ |
ガンマ |
シータ |
ベガ |
| コール買い |
+ |
+ |
- |
+ |
| プット買い |
- |
+ |
- |
+ |
| カバードコール |
+ |
- |
+ |
- |
| ストラドル買い |
0 |
+ |
- |
+ |
| アイアンコンドル |
0 |
- |
+ |
- |
グリークスの注意点
| 注意点 |
説明 |
| 瞬間的な値 |
グリークスは常に変動する |
| 相互作用 |
複数のグリークスが同時に影響 |
| 近似値 |
大きな変動では精度が下がる |
| 実務的な活用 |
すべてを管理する必要はない |
Welvioでの活用
Welvioでオプション取引に関連する原資産の値動きやボラティリティを確認し、グリークスの理解に基づいた戦略立案に活用できます。