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金利平価とは

金利平価とは、2国間の金利差が為替の先物レートと直物レートの差に等しくなるという理論です。

金利平価(Interest Rate Parity / IRP) とは、2国間の金利差が為替レートの先物(フォワード)と直物(スポット)の差に等しくなるという国際金融の基本理論です。裁定取引が自由に行える効率的な市場では、金利差を利用した無リスクの利益機会は存在しないという考え方に基づいています。

2つの金利平価

金利平価には カバー付き金利平価カバーなし金利平価 の2種類があります。

項目 カバー付き金利平価(CIP) カバーなし金利平価(UIP)
英語名 Covered Interest Rate Parity Uncovered Interest Rate Parity
為替ヘッジ 先物為替で為替リスクをヘッジ 為替リスクをヘッジしない
使用するレート 先物為替レート(確定値) 将来の直物為替レートの期待値(不確定)
成立条件 裁定取引により常にほぼ成立 理論上の関係であり、実証的にはずれが生じやすい
実務での信頼性 高い 低い(短期的には成立しにくい)

カバー付き金利平価(CIP)

基本的な考え方

2つの投資戦略が同じリターンを生むべきという裁定の原理に基づきます。

  • 戦略A :自国(日本)で円建て運用する
  • 戦略B :円を外貨(ドル)に換えて米国で運用し、先物為替で円に戻す

両者のリターンが等しくなるように先物為替レートが決まります。

計算式

F / S = (1 + r_d) / (1 + r_f)

記号 意味
F 先物為替レート(例:1年後のドル円先物)
S 直物為替レート(現在のドル円レート)
r_d 自国(日本)の金利
r_f 外国(米国)の金利

計算例

条件
現在のドル円レート(S) 150円/ドル
日本の1年金利(r_d) 0.5%
米国の1年金利(r_f) 5.0%

F = 150 × (1 + 0.005) / (1 + 0.05) = 150 × 1.005 / 1.05 ≈ 143.57円/ドル

金利の高い通貨(ドル)は先物で 割安(円高方向)になります。これは、金利差の分だけ先物レートで調整されるためです。

カバーなし金利平価(UIP)

カバーなし金利平価では、先物為替レートの代わりに 将来の為替レートの期待値 を用います。

E(S₁) / S = (1 + r_d) / (1 + r_f)

つまり、高金利通貨は将来的にその金利差分だけ減価(安くなる)すると期待されるという理論です。しかし実際には、高金利通貨がすぐに減価するとは限らず、短期的にはカバーなし金利平価が成立しないことが多いです。

キャリートレードとの関係

キャリートレード とは、低金利通貨で借り入れを行い、高金利通貨で運用して金利差を稼ぐ戦略です。

観点 説明
利益の源泉 2国間の金利差
金利平価との関係 カバーなし金利平価が成立すれば、金利差は為替の減価で相殺され利益はゼロ
実際の状況 短期的にはUIPが成立しにくいため、キャリートレードで利益が出ることがある
リスク 為替が急激に変動すると、金利差以上の為替損失が発生する可能性がある

円キャリートレード(低金利の円で借りて高金利のドルで運用)は、金利平価が短期的に成立しにくいことを利用した戦略ですが、円高が急速に進むと大きな損失を被るリスクがあります。

FX投資への示唆

  • 為替ヘッジコスト :カバー付き金利平価に基づき、日米金利差が大きいほど円ヘッジのコストは高くなる
  • 外債投資 :高金利の外国債券に投資しても、為替ヘッジをかけると金利差分がコストとして差し引かれる
  • ヘッジなし投資 :為替変動リスクを受け入れる代わりに、金利差を享受できる可能性がある

Welvioでの活用

Welvioでは、海外資産を含むポートフォリオの分析において金利平価の概念が役立ちます。為替ヘッジの有無による期待リターンの違いを理解し、国際分散投資の戦略設計に活用してください。

作成日: 2026/03/20(情報は記事作成時点のものです)