在庫回転日数(Days Inventory Outstanding、DIO) とは、企業が保有する在庫が平均何日で売れるかを示す効率性指標です。在庫を現金化するまでの期間を表します。
在庫回転日数の計算式
在庫回転日数 = 棚卸資産 ÷ (売上原価 ÷ 365日)
または
在庫回転日数 = (棚卸資産 ÷ 売上原価) × 365日
例:
棚卸資産: 1億円
年間売上原価: 10億円
在庫回転日数 = (1 ÷ 10) × 365 = 36.5日
在庫回転日数の目安
| 業種 |
一般的な日数 |
| 小売業(食品) |
5〜20日 |
| 小売業(アパレル) |
60〜120日 |
| 製造業(電機) |
30〜60日 |
| 製造業(自動車) |
15〜30日 |
| 建設業 |
長期(案件ベース) |
在庫回転日数が短いメリット
| メリット |
説明 |
| 資金効率が高い |
在庫に資金が眠らない |
| 鮮度維持 |
古い在庫が少ない |
| 廃棄損失小 |
売れ残りリスクが低い |
| 保管コスト削減 |
倉庫費用が少ない |
在庫回転日数が長いデメリット
| デメリット |
説明 |
| 資金効率悪化 |
在庫に資金が拘束 |
| 陳腐化リスク |
流行遅れ、型落ち |
| 廃棄リスク |
賞味期限切れなど |
| 保管コスト |
倉庫・管理費用増加 |
在庫回転率との関係
在庫回転率 = 売上原価 ÷ 棚卸資産
在庫回転日数 = 365日 ÷ 在庫回転率
例:
在庫回転率 10回/年
在庫回転日数 = 365 ÷ 10 = 36.5日
現金転換サイクル(CCC)との関係
現金転換サイクル(CCC)
= 在庫回転日数 + 売上債権回転日数 - 買入債務回転日数
例:
在庫回転日数: 36日
売上債権回転日数: 60日
買入債務回転日数: 45日
CCC = 36 + 60 - 45 = 51日
→ 仕入から現金回収まで51日かかる
在庫回転日数の分析
| 推移 |
意味 |
| 短縮傾向 |
在庫管理の改善、需要好調 |
| 長期化傾向 |
在庫過剰、売れ行き不振 |
| 急激な変動 |
一時的な要因、要確認 |
在庫回転日数を改善する方法
| 方法 |
説明 |
| ジャストインタイム |
必要な時に必要な量だけ |
| 需要予測精度向上 |
AIによる需要予測 |
| 在庫管理システム |
リアルタイム在庫把握 |
| 不良在庫処分 |
売れない商品の早期処分 |
| 仕入条件改善 |
小ロット・短納期化 |
業種による特徴
| 業種 |
特徴 |
| コンビニ |
数日〜1週間、超高回転 |
| スーパー |
1〜2週間、生鮮中心 |
| アパレル |
2〜4ヶ月、季節変動大 |
| 家電量販店 |
1〜2ヶ月 |
| 自動車メーカー |
2週間〜1ヶ月 |
在庫回転日数の注意点
| 注意点 |
説明 |
| 業種による違い |
業種間比較は意味がない |
| 季節性 |
繁忙期と閑散期で変動 |
| ビジネスモデル |
受注生産か見込生産か |
| 会計方針 |
在庫評価方法の違い |
在庫回転日数と投資判断
| チェックポイント |
内容 |
| 同業比較 |
競合他社との比較 |
| 推移確認 |
改善・悪化傾向 |
| 売上との関係 |
売上増に対する在庫増の比率 |
| 不良在庫 |
滞留在庫の有無 |
トヨタ生産方式の例
トヨタの在庫回転日数: 約15日
「ジャストインタイム」により:
・必要な部品を
・必要な時に
・必要な量だけ
→ 在庫を極限まで削減
→ 資金効率の最大化
Welvioでの活用
Welvioで保有銘柄の在庫回転日数を確認し、在庫管理の効率性と資金効率を評価できます。推移を見ることで在庫管理の改善・悪化も把握できます。