アイアンコンドル(Iron Condor) とは、4つのオプション(コールの売り・買い、プットの売り・買い)を組み合わせて、株価が一定のレンジ内で推移することで利益を得るニュートラル(中立)なオプション戦略です。
アイアンコンドルの構成
同時に以下の4つを実行:
1. OTMコールを売る(権利行使価格 高い)
2. さらにOTMコールを買う(権利行使価格 最も高い)
3. OTMプットを売る(権利行使価格 低い)
4. さらにOTMプットを買う(権利行使価格 最も低い)
OTM = Out of the Money(アウト・オブ・ザ・マネー)
アイアンコンドルの例
現在の株価: 1,000円
アイアンコンドルを構築:
コール側:
売り: 権利行使価格1,100円、プレミアム受取30円
買い: 権利行使価格1,150円、プレミアム支払10円
→ ネット受取 20円
プット側:
売り: 権利行使価格900円、プレミアム受取30円
買い: 権利行使価格850円、プレミアム支払10円
→ ネット受取 20円
合計プレミアム受取: 40円/株
100株分なら4,000円の収入
アイアンコンドルの損益構造
| 満期時の株価 |
損益 |
| 850円以下 |
最大損失(-6,000円) |
| 850〜900円 |
損失(変動) |
| 900〜1,100円 |
最大利益(+4,000円) |
| 1,100〜1,150円 |
損失(変動) |
| 1,150円以上 |
最大損失(-6,000円) |
最大利益・最大損失の計算
最大利益:
受取プレミアムの合計
= 40円 × 100株 = 4,000円
最大損失:
(コール権利行使価格の差 - ネット受取プレミアム) × 株数
= (50円 - 40円) × 100株 = 1,000円
または
(プット権利行使価格の差 - ネット受取プレミアム) × 株数
= (50円 - 40円) × 100株 = 1,000円
リスク・リワード比:
最大損失 1,000円 : 最大利益 4,000円 = 1:4
損益分岐点
上側の損益分岐点:
売りコールの権利行使価格 + ネットプレミアム
= 1,100円 + 40円 = 1,140円
下側の損益分岐点:
売りプットの権利行使価格 - ネットプレミアム
= 900円 - 40円 = 860円
→ 860〜1,140円のレンジ内で利益
アイアンコンドルのメリット
| メリット |
説明 |
| リスク限定 |
最大損失が決まっている |
| 時間的優位性 |
時間経過で価値減少(売り側有利) |
| 広いレンジ |
株価が動かなくても利益 |
| 高勝率 |
レンジ内なら勝ち |
アイアンコンドルのデメリット
| デメリット |
説明 |
| 利益限定 |
プレミアム以上は儲からない |
| 急激な変動に弱い |
ブレイクアウトで損失 |
| 複雑 |
4つの取引が必要 |
| 手数料 |
往復8回の手数料 |
アイアンコンドルに適した相場
| 相場 |
適性 |
| レンジ相場 |
最適 |
| 低ボラティリティ |
適している |
| 横ばい相場 |
適している |
| 強いトレンド |
不適 |
| 高ボラティリティ |
危険 |
アイアンコンドルの戦略的配置
幅の広いアイアンコンドル:
売り権利行使価格の差が大きい
→ 勝率高い、利益小さい
幅の狭いアイアンコンドル:
売り権利行使価格の差が小さい
→ 勝率低い、利益大きい
例:
現在1,000円
広いレンジ(800〜1,200円):
勝率 80%、プレミアム 20円
狭いレンジ(950〜1,050円):
勝率 60%、プレミアム 60円
アイアンコンドルの調整
株価が上昇してコール側が危険:
調整1: ロールアップ
上側のコンドルを上方にシフト
調整2: クローズして再構築
一度決済して新しいコンドルを構築
調整3: プット側を決済
コール側だけ残して損失限定
アイアンコンドルの実例
月間収益戦略:
毎月、満期30日のアイアンコンドルを設定
資金: 100万円
1回のリスク: 2万円(資金の2%)
期待収益: 8,000円(リスクの40%)
年間:
12回 × 8,000円 = 96,000円(年利9.6%)
勝率: 70〜75%
→ 安定した月次収入
他のオプション戦略との比較
| 戦略 |
リスク |
リターン |
相場観 |
| アイアンコンドル |
限定 |
限定 |
レンジ |
| ストラドル買い |
大 |
無限 |
大変動 |
| カバードコール |
中 |
限定 |
小幅上昇 |
| プロテクティブプット |
小 |
無限 |
上昇期待+保険 |
アイアンコンドルの管理ルール
| ルール |
内容 |
| 利益確定 |
プレミアムの50%獲得で決済 |
| 損切り |
プレミアムの200%損失で決済 |
| 期限前決済 |
満期2週間前に決済検討 |
| ポジションサイズ |
資金の2〜5%をリスクとする |
アイアンコンドルの税務
日本の税制:
オプション取引の損益は雑所得
→ 総合課税(最高55%)
→ 損失繰越は3年間
米国の税制:
株式オプションはキャピタルゲイン
→ 短期/長期で税率が異なる
アイアンコンドルの注意点
| 注意点 |
説明 |
| 流動性 |
オプション市場の流動性確認 |
| 決算リスク |
決算発表前後は避ける |
| 配当 |
権利落ち日の影響 |
| 早期行使 |
アメリカンオプションのリスク |
アイアンコンドルの応用
週次アイアンコンドル:
満期1週間のオプションを使用
→ より頻繁に収益機会
→ ガンマリスクが高い
指数アイアンコンドル:
S&P500、日経225指数オプションで実行
→ 個別株リスクを回避
→ 流動性が高い
Welvioでの活用
Welvioでボラティリティや価格レンジを分析し、アイアンコンドル戦略に適した銘柄とタイミングを検討できます(オプション取引対応の証券会社が必要)。