LBO(Leveraged Buyout、レバレッジドバイアウト) とは、買収対象企業の資産やキャッシュフローを担保にして多額の借入金を調達し、企業買収を行う手法です。少ない自己資金で大規模な買収が可能になります。
LBOの基本構造
資金調達:
自己資金: 30%(300億円)
借入金: 70%(700億円)
──────────────────
合計: 100%(1,000億円)で企業を買収
返済:
買収後、対象企業のキャッシュフローで借入金を返済
LBOの仕組み
| ステップ |
内容 |
| 1. SPC設立 |
買収専用の特別目的会社 |
| 2. 資金調達 |
エクイティ+借入金 |
| 3. 買収実行 |
対象企業の株式取得 |
| 4. 合併 |
SPCと対象企業を合併 |
| 5. 返済 |
対象企業のCFで借入返済 |
| 6. エグジット |
再上場 or 売却で利益確定 |
LBOのリターンの源泉
| 源泉 |
説明 |
| レバレッジ効果 |
少ない自己資金で大きなリターン |
| 経営改善 |
業績改善で企業価値向上 |
| 倍率拡大 |
EV/EBITDA倍率の改善 |
| 借入金返済 |
CFで返済、エクイティ価値増加 |
LBOのリターン計算例
買収時:
自己資金 300億円、借入 700億円
企業価値 1,000億円
5年後:
企業価値 1,500億円(+50%)
借入金 300億円に減少(CF返済)
エクイティ価値 = 1,500 - 300 = 1,200億円
リターン:
自己資金 300億円 → 1,200億円
= 4倍のリターン(年率約32%)
→ レバレッジなしなら1.5倍(年率8.4%)
レバレッジにより4倍に拡大
LBOに向いている企業
| 特徴 |
理由 |
| 安定したキャッシュフロー |
借入金の返済原資 |
| 低い負債比率 |
追加借入の余地 |
| 改善余地がある |
経営改善でCF増加 |
| 有形資産が多い |
担保として利用可能 |
| 成熟した事業 |
予測可能なCF |
LBOのメリット
| メリット |
説明 |
| 少額で大型買収 |
レバレッジ効果 |
| 高いリターン |
自己資金比で高リターン |
| 節税効果 |
借入金の金利が損金 |
| 経営改善インセンティブ |
CF増加が直接リターンに |
LBOのリスク
| リスク |
説明 |
| 過大な借入金 |
返済不能で破綻リスク |
| 金利上昇 |
変動金利の場合、負担増加 |
| 業績悪化 |
CF減少で返済困難 |
| 景気後退 |
経済環境悪化の影響 |
| 従業員への影響 |
コスト削減で人員整理も |
歴史的なLBO事例
| 事例 |
概要 |
| RJRナビスコ(1988年) |
史上最大のLBO(当時250億ドル) |
| ヒルトンホテル(2007年) |
ブラックストーンが260億ドルで買収 |
| 東芝(2023年) |
JIPによる非公開化 |
LBOの注意点
| 注意点 |
説明 |
| 過度なレバレッジ |
返済不能リスク |
| ステークホルダー |
従業員、取引先への影響 |
| 短期志向 |
コスト削減偏重の経営 |
| エグジット |
再上場・売却の不確実性 |
MBOとの比較
| 項目 |
LBO |
MBO |
| 買い手 |
外部投資家 |
経営陣 |
| 動機 |
投資リターン |
経営の自由度 |
| レバレッジ |
高い |
高い |
| 経営 |
新経営陣も |
既存経営陣 |
Welvioでの活用
Welvioで企業のキャッシュフローや負債比率を確認し、LBOの対象となりうる企業の特徴を理解して投資判断に活用できます。