時価会計(Mark-to-Market) とは、企業が保有する資産や負債を、取得時の価格ではなく決算時点の市場価格(時価)で評価する会計手法です。
時価会計と取得原価主義の違い
| 項目 |
時価会計 |
取得原価主義 |
| 評価基準 |
決算時点の市場価格 |
購入時の価格 |
| メリット |
資産の実態を反映 |
利益が安定しやすい |
| デメリット |
市場変動で利益がブレる |
含み損益が見えにくい |
| 適用例 |
売買目的有価証券 |
満期保有目的の債券 |
時価会計の適用範囲
| 資産の分類 |
評価方法 |
評価差額の処理 |
| 売買目的有価証券 |
時価評価 |
損益計算書に計上 |
| その他有価証券 |
時価評価 |
純資産の部に計上(OCI) |
| 満期保有目的の債券 |
償却原価 |
時価評価しない |
| 子会社・関連会社株式 |
取得原価 |
時価評価しない(減損を除く) |
時価会計の計算例
取得原価:100万円(株式1,000株 × 1,000円)
決算時の時価:120万円(株式1,000株 × 1,200円)
時価評価による評価益 = 120万円 - 100万円 = 20万円
売買目的有価証券の場合:
→ 20万円を当期の利益として損益計算書に計上
その他有価証券の場合:
→ 20万円をその他有価証券評価差額金として純資産に計上
時価会計のメリット・デメリット
| メリット |
デメリット |
| 財務状況の実態を反映 |
市場変動で業績がブレる |
| 投資家に有用な情報を提供 |
短期的な変動に過度に反応する恐れ |
| 含み損益を可視化 |
流動性の低い資産は時価算定が困難 |
| 国際的な会計基準との整合性 |
景気悪化時に損失が拡大しやすい |
時価会計と金融危機
2008年のリーマンショック時、時価会計が金融危機を悪化させたとの議論がありました。
| 論点 |
内容 |
| 悪循環の懸念 |
資産価格下落→時価評価で損失計上→さらなる売却→さらに価格下落 |
| 時価評価の緩和 |
一部の資産について時価評価の適用を緩和する措置が取られた |
| 教訓 |
市場が機能不全の場合、時価会計の限界が顕在化する |
Welvioでの活用
Welvioでは保有資産を時価ベースで管理しています。取得原価と現在の時価を比較し、含み損益を把握することで、適切なタイミングでのリバランスや利益確定に活用してください。