心理的会計(Mental Accounting、メンタルアカウンティング) とは、同じ金額のお金であっても、その出所や使途によって異なる価値や扱いを与えてしまう認知バイアスです。リチャード・セイラーが提唱しました。
心理的会計の基本
経済学的には:
お金は同質(1万円 = 1万円)
心理的には:
「給料の1万円」と「臨時収入の1万円」を
違うものとして扱ってしまう
例:
給料 → 慎重に使う
ボーナス → 気軽に使う
ギャンブルの勝ち分 → さらに冒険する
投資における心理的会計の例
| 状況 |
心理的会計の影響 |
| 含み益の銘柄 |
「儲けたお金」で冒険的に |
| 配当金 |
「ボーナス」として散財 |
| 退職金 |
「大金」としてまとめて投資 |
| 相続資金 |
「もらったお金」でリスクを取る |
心理的会計の具体例
例1: ハウスマネー効果
A社株で50万円の利益
→ 「儲けた金だから」
→ ハイリスクなB社株に50万円投資
→ 50万円を失う
合理的な判断:
50万円は50万円
出所に関係なく同じリスク管理をすべき
例2: 銘柄別の心理会計
C社: +30万円の含み益
D社: -20万円の含み損
「C社は利益だから放置、D社は損だから売れない」
合理的な判断:
将来のリターンが高い方を残す
過去の損益は関係ない
ハウスマネー効果
カジノの例:
10万円持って行く → 15万円に増えた
→ 「5万円は勝ち分だから」
→ 5万円でさらに冒険的に賭ける
投資の例:
株で100万円儲けた
→ 「この100万円は"儲け"だから」
→ リスクの高い投資に使う
実際には:
100万円は100万円
自分の資産の一部
心理的会計の弊害
| 弊害 |
説明 |
| リスク管理の歪み |
お金の出所でリスク許容度が変わる |
| 非効率な配分 |
「色」をつけて最適配分を妨げる |
| 損切り障害 |
「この銘柄」と「あの銘柄」を別扱い |
| 消費の非合理性 |
臨時収入を無駄遣い |
心理的会計の対策
| 対策 |
説明 |
| 統合管理 |
すべての資産を1つのポートフォリオとして管理 |
| お金に色をつけない |
出所に関係なく同じ扱い |
| リバランス |
全体の資産配分で判断 |
| 自動化 |
積立投資で心理的影響を排除 |
心理的会計を活用する方法
あえて心理的会計を利用:
・生活費口座(使ってよいお金)
・貯蓄口座(触らないお金)
・投資口座(長期運用のお金)
→ お金に「色」をつけることで
無駄遣いを防ぐ効果も
配当金の心理的会計
配当金を「ボーナス」と考える:
→ 配当金で旅行に行く
→ 配当金で贅沢品を買う
合理的には:
配当金 = 株価の一部(配当落ち)
自分の資産が形を変えただけ
→ 配当金も再投資が最も効率的
ただし消費に使うことで幸福度が上がるなら
それも合理的な判断
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