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ネッティングとは

ネッティングとは、複数の債権・債務を相殺して差額のみを決済する仕組みです。金融取引の効率化とカウンターパーティリスクの低減に不可欠です。

ネッティング(Netting) とは、複数の取引から生じる債権と債務を相殺し、差額(ネット額)のみを決済する仕組みです。金融取引の決済リスクを軽減し、資金効率を高めるために広く使われています。

ネッティングの基本

ネッティングなし(グロス決済):
A社 → B社: 100億円支払い
B社 → A社: 80億円支払い
→ 合計180億円の資金移動が必要

ネッティングあり(ネット決済):
A社 → B社: 100 - 80 = 20億円のみ支払い
→ 資金移動は20億円で済む
→ 決済リスクが大幅に低下

ネッティングの種類

種類 説明
二者間ネッティング 2者間の複数取引を相殺
多者間(マルチラテラル)ネッティング 複数の参加者間で一括相殺
ペイメントネッティング 同一通貨・同一日の支払いを相殺
クローズアウトネッティング 破綻時に全取引を一括清算・相殺
ノベーション 既存の取引を新しい取引に置き換え

二者間ネッティングの例

A社とB社の間の取引:
取引1: A→B 50億円(ドル/円スワップ)
取引2: B→A 30億円(金利スワップ)
取引3: A→B 20億円(為替先物)

ネッティング:
A→B: 50 + 20 = 70億円
B→A: 30億円
ネット: A→B 40億円のみ決済

多者間ネッティング(CCP)

CCP(Central Counterparty / 中央清算機関):
すべての取引の間に入り、ネッティングを実施

CCP導入前:
A ←→ B
A ←→ C
B ←→ C
→ 各組み合わせで個別に決済

CCP導入後:
A ←→ CCP ←→ B
        ↕
        C
→ CCPが全取引を集約してネット額のみ決済
→ 決済額が大幅に減少

クローズアウトネッティング

項目 説明
発動条件 取引相手の破綻・デフォルト
仕組み 全取引を一括して期限前終了
効果 時価評価して差額のみを精算
法的根拠 ISDA マスター契約で規定
重要性 カウンターパーティリスクの大幅な削減
例: A社がB社と100件のデリバティブ取引
クローズアウトネッティングなし:
B社が破綻
→ A社はB社への債務100件は全額支払い義務
→ B社からの債権は破産手続きで一部しか回収できない

クローズアウトネッティングあり:
B社が破綻
→ 100件の取引を一括して時価評価
→ 差額のみが債権または債務になる
→ リスクが大幅に軽減

ネッティングのメリット

メリット 説明
決済リスクの軽減 決済金額が減少しリスクが低下
資金効率の向上 必要な資金が少なくて済む
信用リスクの低減 カウンターパーティリスクが縮小
オペレーショナルリスクの低減 決済件数・金額が減少
資本効率の向上 銀行の所要自己資本が軽減

ネッティングと規制

規制 説明
バーゼルIII ネッティング効果を自己資本比率に反映
EMIR(EU) OTCデリバティブの中央清算を義務化
ドッド・フランク法(米国) スワップ取引のCCP清算を義務化
ISDAマスター契約 クローズアウトネッティングの国際標準

主なCCP(中央清算機関)

CCP 国/地域 対象
JSCC(日本証券クリアリング機構) 日本 株式、デリバティブ
LCH 英国/EU 金利スワップ等
CME Clearing 米国 先物、スワップ
ICE Clear 米国/EU CDS、エネルギー

投資家にとっての意味

意味 説明
取引コスト ネッティングにより決済コストが低下
カウンターパーティリスク CCP利用でリスクが分散
システミックリスク ネッティングが金融システムの安定に貢献
証拠金 ネッティング後のエクスポージャーで計算

Welvioでの活用

Welvioで投資先の金融機関やファンドのリスク管理体制を理解する際、ネッティングの仕組みを知っておくことで、カウンターパーティリスクの評価に活用できます。

作成日: 2026/03/29(情報は記事作成時点のものです)