ペアトレード(Pairs Trading) とは、相関の高い2銘柄の価格差(スプレッド)に着目し、割高な銘柄を空売り・割安な銘柄を買うことで、市場全体の方向に左右されない利益を狙う投資戦略です。
ペアトレードの基本概念
前提:
A社とB社は通常、同じような値動きをする
(同業種、同じ指数構成銘柄など)
ペアトレード:
A社が相対的に割高 → 空売り
B社が相対的に割安 → 買い
スプレッドが収束すれば利益
ペアトレードの仕組み
| ステップ |
内容 |
| 1. ペア選定 |
相関の高い2銘柄を選ぶ |
| 2. スプレッド計算 |
価格差を測定 |
| 3. 異常値検出 |
過去の範囲を超える乖離 |
| 4. ポジション構築 |
割高を売り、割安を買い |
| 5. 収束待ち |
スプレッドの正常化 |
| 6. 利益確定 |
スプレッドが収束したら決済 |
ペアトレードの例
トヨタとホンダでペアトレード:
通常の価格差: トヨタ - ホンダ = 500円
現在の状態:
トヨタ 3,000円、ホンダ 2,000円
価格差 = 1,000円(異常に拡大)
ポジション:
トヨタを100株空売り(300万円)
ホンダを150株買い(300万円)
収束時:
トヨタ 2,800円、ホンダ 2,100円
価格差 = 700円
利益:
トヨタ: (3,000 - 2,800) × 100 = 20,000円
ホンダ: (2,100 - 2,000) × 150 = 15,000円
合計: 35,000円
ペアトレードのメリット
| メリット |
説明 |
| 市場中立 |
相場全体の方向に依存しない |
| リスク限定 |
2銘柄の差に賭けるだけ |
| 両相場で利益 |
上昇・下降どちらでもOK |
| ヘッジ効果 |
片方の損失を相殺 |
ペアトレードのリスク
| リスク |
説明 |
| 収束しないリスク |
スプレッドが拡大し続ける |
| 構造的変化 |
相関関係が崩れる |
| 空売りコスト |
貸株料・逆日歩 |
| 流動性リスク |
決済時に不利な価格 |
ペアの選び方
| 選定基準 |
説明 |
| 高い相関 |
相関係数0.7以上が目安 |
| 同業種 |
同じセクターの企業 |
| 同じ指数 |
日経225構成銘柄同士など |
| 流動性 |
両銘柄とも出来高が豊富 |
| ベータ近似 |
市場感応度が似ている |
スプレッドの測定方法
| 方法 |
説明 |
| 価格差 |
A社株価 - B社株価 |
| 比率 |
A社株価 ÷ B社株価 |
| Zスコア |
(現在差 - 平均差) ÷ 標準偏差 |
| 共和分 |
統計的な長期均衡関係 |
エントリー・エグジットの目安
| Zスコア |
アクション |
| +2以上 |
エントリー(割高売り、割安買い) |
| +1〜-1 |
様子見 |
| -2以下 |
エントリー(逆ポジション) |
| 0付近 |
エグジット |
ペアトレードの注意点
| 注意点 |
説明 |
| 相関崩れ |
業界構造の変化で相関が崩壊 |
| イベントリスク |
M&A、不祥事などで片方だけ大変動 |
| 手数料 |
往復4回の取引コスト |
| 資金効率 |
両建てなので資金拘束される |
ペアトレード向きの市場
| 市場状況 |
適性 |
| レンジ相場 |
適している |
| 強いトレンド |
やや不利 |
| 高ボラティリティ |
適している |
| 低流動性 |
不適 |
発展的な戦略
| 戦略 |
説明 |
| バスケットペア |
複数銘柄対複数銘柄 |
| セクター中立 |
セクターETF同士 |
| イベント駆動 |
決算・イベント前後 |
| 国際ペア |
同じ企業の異市場上場株 |
Welvioでの活用
Welvioで複数銘柄の相関を分析し、ペアトレードの候補となる銘柄ペアを探すことができます(空売り取引は証券会社の信用取引口座が必要)。