引当金(Provision) とは、将来発生する可能性が高い費用や損失に備えて、当期の費用として計上しておく負債のことです。企業の財務状況を適正に表示するための会計処理です。
引当金の計上要件
引当金を計上するためには、以下の4つの要件をすべて満たす必要があります。
| 要件 |
説明 |
| 将来の特定の費用または損失 |
対象が明確であること |
| 発生が当期以前の事象に起因 |
当期までの活動が原因であること |
| 発生の可能性が高い |
費用・損失が発生する蓋然性が高いこと |
| 金額を合理的に見積もれる |
ある程度の精度で金額が算出可能なこと |
主な引当金の種類
| 引当金 |
内容 |
計上される理由 |
| 貸倒引当金 |
売掛金・貸付金の回収不能に備える |
取引先の倒産リスク |
| 賞与引当金 |
従業員への賞与支給に備える |
翌期の賞与支給を当期に費用化 |
| 退職給付引当金 |
従業員の退職金に備える |
将来の退職金支払い義務 |
| 製品保証引当金 |
製品の修理・交換費用に備える |
保証期間中の修理義務 |
| 訴訟損失引当金 |
訴訟の損害賠償に備える |
敗訴した場合の支払いリスク |
引当金の仕訳例
賞与引当金の計上(決算時):
賞与引当金繰入額 1,000万円 / 賞与引当金 1,000万円
賞与の支給時:
賞与引当金 1,000万円 / 現金預金 1,000万円
投資家が注目すべきポイント
| ポイント |
内容 |
| 引当金の増減 |
急増は潜在リスクの顕在化を示す |
| 貸倒引当金比率 |
債権に対する引当率が適切か |
| 引当金の取崩し |
取崩しは利益押し上げ要因となる |
| 注記の確認 |
引当金の算定方法が開示されている |
引当金と準備金の違い
| 項目 |
引当金 |
準備金 |
| 性質 |
負債 |
純資産(資本) |
| 目的 |
将来の費用・損失に備える |
資本の充実を図る |
| 利益への影響 |
計上時に費用として利益を減少 |
利益処分として積み立て |
Welvioでの活用
Welvioで保有銘柄の財務諸表を確認する際、引当金の増減に注目してください。引当金の急増は企業が将来のリスクを認識しているシグナルとなり、ポートフォリオのリスク評価に役立ちます。