証券化(Securitization) とは、住宅ローンやクレジットカード債権などの資産をプール(集合)し、そのキャッシュフローを裏付けとした証券を発行して投資家に販売する金融手法です。
証券化の基本的な仕組み
1. オリジネーター(原資産の保有者)
銀行が住宅ローン1,000件を保有
2. SPV(特別目的事業体)に資産を譲渡
銀行のバランスシートから切り離す
3. SPVが証券を発行
ローンのキャッシュフローを裏付けに
4. 投資家が証券を購入
ローンの元利金が投資家に分配
銀行 → SPV → 証券化商品 → 投資家
↑ ↓
←←←← 資金 ←←←←←←←←←←
証券化商品の種類
| 種類 |
原資産 |
| MBS(不動産担保証券) |
住宅ローン |
| ABS(資産担保証券) |
自動車ローン、クレカ債権 |
| CLO(ローン担保証券) |
企業向けローン |
| CMBS(商業用不動産担保証券) |
商業用不動産ローン |
トランチ構造
証券化商品はリスク別に分割(トランシェ):
シニア(AAA格): 利回り低い、リスク低い
優先的に元利金を受け取る
メザニン(BBB格): 利回り中、リスク中
シニアの後に元利金を受け取る
エクイティ(格付けなし): 利回り高い、リスク高い
最後に残った分を受け取る
デフォルト時は最初に損失を被る
証券化のメリット
| 立場 |
メリット |
| 発行体(銀行等) |
バランスシートのスリム化 |
| 発行体(銀行等) |
新たな貸出余力の確保 |
| 投資家 |
多様な投資機会 |
| 投資家 |
リスク・リターンの選択肢 |
証券化のリスク
| リスク |
説明 |
| 信用リスク |
原資産のデフォルト |
| 期限前償還リスク |
繰上返済で利回り低下 |
| 流動性リスク |
市場が混乱すると売却困難 |
| 複雑性 |
商品構造の理解が困難 |
サブプライム危機と証券化
2008年リーマンショックの背景:
1. サブプライムローン(信用力の低い借り手)を大量組成
2. MBSとして証券化
3. さらにCDO(債務担保証券)に再証券化
4. 格付け機関がAAA格を付与
5. 世界中の投資家が購入
6. 住宅価格下落でデフォルト急増
7. 証券化商品の価値が暴落
8. 金融危機に発展
教訓:
・原資産の質が最も重要
・複雑な再証券化はリスクを隠す
・格付けを盲信しない
証券化の注意点
| 注意点 |
説明 |
| 原資産の質 |
裏付け資産の信用力を確認 |
| 構造の透明性 |
複雑すぎる商品は避ける |
| 格付けの限界 |
格付けはリスクの一側面 |
| 流動性 |
市場ストレス時の売却可能性 |
Welvioでの活用
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