サンクコストの誤謬(Sunk Cost Fallacy) とは、すでに投じた回収不能なコスト(埋没費用)を理由に、不合理な意思決定を続けてしまう心理的傾向です。「もったいない」が判断を歪めます。
サンクコストの誤謬の仕組み
合理的な判断:
過去のコストは無関係
将来の利益とリスクのみで判断
サンクコストの誤謬:
「もう100万円も投じたから、やめられない」
→ 過去のコストに引きずられる
→ 損失がさらに拡大
投資における具体例
例1: 損切りできない
A社株を100万円で購入 → 現在50万円
「100万円も払ったのにもったいない」
→ 保有を続ける
→ さらに20万円に下落
合理的判断:
過去の100万円は回収不能
「今50万円あるとして、A社に投資するか?」
→ NOなら売却すべき
例2: ナンピンの泥沼
A社株に100万円投資 → 下落
さらに50万円追加投資 → さらに下落
「もう150万円も入れたから」
→ さらに30万円追加
→ 計180万円の損失
正しい判断:
追加投資は新規投資と同じ
過去の投資額は判断材料にならない
日常生活のサンクコスト
| 状況 |
サンクコストの誤謬 |
| 映画 |
「チケット代を払ったから」つまらなくても最後まで |
| 食事 |
「もったいない」と食べ過ぎる |
| 資格勉強 |
「もう2年も勉強したから」向いてなくても継続 |
| 恋愛 |
「もう5年付き合ったから」と惰性で継続 |
サンクコストの誤謬が起こる理由
| 理由 |
説明 |
| 損失回避 |
損失を認めたくない |
| 一貫性の原理 |
過去の決定に一貫性を持たせたい |
| 自己正当化 |
過去の判断が間違いだと認めたくない |
| もったいない精神 |
日本人に特に強い傾向 |
サンクコストの誤謬の対策
| 対策 |
説明 |
| ゼロベース思考 |
「今ゼロから始めるなら同じ判断をするか?」 |
| 将来だけを見る |
過去のコストを判断から除外 |
| 損切りルール |
事前に撤退条件を設定 |
| 第三者の意見 |
客観的な意見を聞く |
ゼロベース思考テスト
保有銘柄の評価:
1. 今、この銘柄を持っていないと仮定
2. 現在の株価で新規に買うか?
3. 買う理由がなければ売却
過去の投資額、含み損益は考えない
将来の見通しだけで判断する
コンコルドの誤謬
歴史的な例:
超音速旅客機「コンコルド」の開発
・開発費が膨張(数十億ドル)
・採算が取れないことが判明
・「もうここまで投じたから」と開発継続
・最終的に商業的に失敗
教訓:
「もう○○も投じたから」は
判断の根拠にならない
サンクコストの誤謬 vs 忍耐
見分け方:
サンクコストの誤謬:
過去の投資額を理由に保有継続
→ 非合理的
忍耐(合理的な保有):
将来の見通しが良いから保有継続
→ 合理的
判断基準:
「なぜ保有しているか?」
・「100万円も投じたから」= サンクコスト
・「今後の成長が期待できるから」= 合理的
Welvioでの活用
Welvioで保有銘柄の将来性を客観的に評価し、過去の投資額に囚われない合理的な売買判断を心がけましょう。