時間加重収益率(Time-Weighted Rate of Return / TWR) とは、ポートフォリオへの資金の入出金(キャッシュフロー)の影響を排除して、純粋な運用パフォーマンスを測定する方法です。ファンドマネージャーの運用能力を公正に評価するために広く使われています。
基本的な考え方
時間加重収益率は、資金の出入りがあったタイミングでサブ期間に分割し、各サブ期間の収益率を幾何平均(掛け合わせ)で結合します。これにより、投資家が大きな金額を追加投資したタイミングや引き出したタイミングに左右されない、運用そのものの成果を把握できます。
計算方法
ステップ
- 資金の出入りがあるたびに期間を区切る
- 各サブ期間の収益率を計算する
- 各サブ期間の収益率を掛け合わせる
計算例
| 期間 | 期首資産額 | 入出金 | 期末資産額 | サブ期間収益率 |
|---|---|---|---|---|
| 第1期(1月〜6月) | 100万円 | — | 110万円 | +10.0% |
| 追加投資 | — | +50万円 | 160万円 | — |
| 第2期(7月〜12月) | 160万円 | — | 168万円 | +5.0% |
時間加重収益率 = (1 + 0.10) × (1 + 0.05) − 1 = 15.5%
この計算では、7月に50万円を追加投資したことの影響が排除されています。追加投資の金額やタイミングに関係なく、運用自体が年間で15.5%のリターンを生んだことがわかります。
金額加重収益率(IRR)との違い
| 項目 | 時間加重収益率(TWR) | 金額加重収益率(IRR) |
|---|---|---|
| 資金の出入りの影響 | 排除する | 反映する |
| 測定対象 | 運用そのものの成果 | 投資家が実際に得たリターン |
| 主な用途 | ファンドマネージャーの評価 | 個人投資家の実績評価 |
| 計算の特徴 | サブ期間の収益率を幾何平均 | キャッシュフローを考慮した内部収益率 |
| 追加投資のタイミング | 結果に影響しない | 結果に大きく影響する |
| 業界標準 | GIPS(グローバル投資パフォーマンス基準)で推奨 | 個別の投資成果評価に適用 |
なぜ結果が異なるのか
たとえば、ファンドが前半に大きく上昇し、後半に下落した場合を考えます。後半に大きな追加投資を行った投資家は、金額加重収益率ではマイナスになる可能性がありますが、時間加重収益率ではファンド自体の運用成績を正しく評価できます。
ファンドマネージャーの評価に適している理由
ファンドマネージャーは、投資家がいつ・いくら資金を出し入れするかをコントロールできません。そのため、資金フローの影響を受ける金額加重収益率でファンドマネージャーを評価するのは公平ではありません。
時間加重収益率を使うことで、以下のメリットがあります。
- 公正な比較 :異なるファンド間で、資金の流出入に関係なくパフォーマンスを比較できる
- 運用能力の把握 :純粋に銘柄選択やアセットアロケーションの巧拙を評価できる
- 業界標準への準拠 :GIPS基準ではTWRの使用が求められている
Welvioでの活用
Welvioでは、ポートフォリオのパフォーマンスを時間加重収益率で確認できます。追加入金や出金を行っても運用の実力を正確に把握できるため、投資戦略の見直しやファンドの選定に役立ててください。