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60代の資産運用ガイド

60代からの資産運用戦略。退職金の活用法、年金の受け取り方、資産の取り崩し戦略、守りながら増やすポートフォリオの組み方を解説します。

60代退職後新NISA年金取り崩し戦略
公開: 2026/02/09

60代の資産運用の特徴

60代は 「貯める」から「使う」への転換期 です。退職金を受け取り、年金生活が始まるこの時期は、資産を守りながら計画的に取り崩す戦略が求められます。「運用しない」のではなく、 「守りながら運用を続ける」 ことがポイントです。

60代の強み

  • 退職金 という大きな資金を活用できる
  • 住宅ローン完済済み のケースが多く、固定支出が減少
  • 子どもが独立 し、自分のための資産活用が可能
  • 時間に余裕 ができ、資産管理に集中できる

60代の課題

  • 定期収入の減少 :現役時代と比べて大幅にダウン
  • インフレリスク :退職後20〜30年の物価上昇への備え
  • 医療・介護費用 :健康リスクに伴う支出増加
  • 資産寿命 :資産が尽きる前に対策が必要

60代の収入源と資金フロー

退職後の主な収入源を把握し、不足額を運用でカバーする計画を立てましょう。

60代の収入源一覧

収入源 開始年齢 月額目安 備考
再雇用・嘱託給与 60〜65歳 15〜25万円 現役時の50〜70%程度
厚生年金 65歳〜 14〜16万円 夫婦で月22〜28万円程度
iDeCo受取 60〜75歳 一時金or年金 受取方法を選択
新NISA取り崩し いつでも 必要に応じて 非課税で引き出し可能
退職金 60〜65歳 一時金or年金 受取方法を選択

月額収支のシミュレーション

項目 60〜64歳(再雇用) 65歳〜(年金生活)
収入 再雇用20万円 年金22万円(夫婦)
生活費 28万円 26万円
不足額 月8万円 月4万円
年間不足額 96万円 48万円

不足額を資産の取り崩しや運用益で補うことが、60代の資産運用の基本です。

退職金の賢い活用法

退職金は60代最大の資金イベントです。受け取り方と運用方法で、老後の安心度が大きく変わります。

受け取り方の比較

方式 課税方法 メリット デメリット
一時金 退職所得控除で大幅な税優遇 税負担が軽い 一度に使ってしまうリスク
年金 雑所得(公的年金等控除適用) 定期収入として計画的に受取 受取期間中の運用リスク
併用 両方の控除を活用 節税と安定収入を両立 計算が複雑

退職所得控除の計算

勤続20年以下:40万円 × 勤続年数
勤続20年超 :800万円 + 70万円 ×(勤続年数 − 20年)

例:勤続38年の場合
800万円 + 70万円 × 18年 = 2,060万円まで非課税

退職金2,000万円の活用例

用途 金額 備考
生活防衛資金 500万円 生活費2年分を現金で確保
新NISAでの投資 600万円 3年に分けて年200万円ずつ
債券・バランスファンド 600万円 安定運用で取り崩し原資に
予備費(医療・介護) 300万円 定期預金・個人向け国債

鉄則: 退職金を一括で投資に回さないこと。生活防衛資金と予備費を確保したうえで、残りを時間分散で投資しましょう。

年金の受け取り戦略

年金の受給開始年齢の選択は、生涯の受取総額に大きく影響します。

繰上げ・繰下げ受給の比較

受給開始 増減率 月額目安(本来16万円の場合) 損益分岐年齢
60歳(繰上げ) −24% 約12.2万円 約81歳
65歳(通常) ±0% 16万円
70歳(繰下げ) +42% 約22.7万円 約82歳
75歳(繰下げ) +84% 約29.4万円 約87歳

繰下げ受給が向いている人

  • 再雇用や自営で65歳以降も収入がある
  • 新NISAやiDeCoなど、年金以外に取り崩せる資産がある
  • 家系的に長寿の傾向がある
  • 年金を増やして安定収入を確保したい

繰上げ受給が向いている人

  • 健康上の不安があり、早めに受け取りたい
  • 65歳まで収入がなく、生活費が不足する
  • 他の資産が少なく、すぐに現金が必要

在職老齢年金に注意

60〜65歳で再雇用等で働く場合、給与と年金の合計が 月62万円 を超えると年金が減額されます(2026年4月施行の改正で従来の50万円から引き上げ)。多くの方が減額を気にせず働けるようになりましたが、高収入の方は引き続き注意が必要です。

60代のポートフォリオ

60代は 「守り」を重視しつつ、インフレに負けない運用 を目指します。

60代前半(60〜64歳)

資産クラス 積極運用 標準運用 安定運用
全世界株式 40% 30% 20%
先進国債券 25% 30% 30%
国内債券 15% 20% 25%
現金・預金 20% 20% 25%

60代後半(65〜69歳)

資産クラス 積極運用 標準運用 安定運用
全世界株式 30% 25% 15%
先進国債券 25% 30% 30%
国内債券 20% 25% 30%
現金・預金 25% 20% 25%

なぜ60代でも株式を保有するのか

60代でも運用期間は20〜30年あります。すべてを預金にすると インフレで実質的に目減り します。

年2%のインフレが20年続いた場合:
1,000万円の実質価値 → 約672万円(約33%の目減り)

株式を一定割合保有することで、インフレに対抗しながら資産寿命を延ばせます。

資産の取り崩し戦略

60代後半からは、資産を計画的に取り崩すフェーズに入ります。

定額取り崩し vs 定率取り崩し

方法 仕組み メリット デメリット
定額取り崩し 毎月一定額を引き出す 生活設計がしやすい 相場下落時に資産が急減
定率取り崩し 資産残高の一定割合を引き出す 資産が長持ちしやすい 引き出し額が変動する

定率取り崩しのシミュレーション

資産3,000万円を年4%で取り崩す場合(運用リターン年3%想定):

年数 資産残高 年間引出額 月額
1年目 3,000万円 120万円 10.0万円
5年目 約2,870万円 115万円 9.6万円
10年目 約2,710万円 108万円 9.0万円
20年目 約2,420万円 97万円 8.1万円

※年4%取り崩し・年3%運用リターンの場合、年間で約1%ずつ緩やかに減少する概算値

取り崩し順序の優先度

優先順位 資産 理由
1 課税口座(特定口座) 運用益に税金がかかるため先に取り崩す
2 iDeCo(受取時期に注意) 退職所得控除・公的年金等控除を活用
3 新NISA 非課税メリットを最大化するため最後に
4 現金・預金 生活防衛資金として常に一定額を確保

iDeCoの受け取り方

60代でiDeCoの受け取りを開始する方が多いです。節税を最大化する受け取り方を検討しましょう。

受取方法の選択肢

方式 税制上の扱い ポイント
一時金 退職所得 退職所得控除が使える。退職金との受取間隔に注意
年金 雑所得 公的年金等控除が適用。他の年金と合算で課税
併用 両方の控除 一部を一時金、残りを年金で受け取り節税を最大化

退職金とiDeCoの受取タイミング

退職金とiDeCoの一時金を近い時期に受け取ると、退職所得控除の重複期間分が差し引かれ、控除額が不利になります。受取順序によってルールが異なります(2026年1月施行の税制改正反映)。

  • iDeCo先 → 退職金後 :iDeCo受取から 10年超 空けると退職金の退職所得控除が満額適用(改正前は5年)
  • 退職金先 → iDeCo後 :退職金受取から 20年超 空けるとiDeCoの退職所得控除が満額適用(従来通り)
例:60歳で退職金を受取 → iDeCoは65歳以降に一時金で受取
(受取間隔が5年のため、重複する加入期間分の控除が調整される)

医療・介護への備え

60代は医療・介護費用への備えが重要になります。

医療費の目安

年齢 自己負担割合 年間医療費(平均)
60〜69歳 3割 約20〜30万円
70〜74歳 2割 約15〜25万円
75歳〜 1割(一定以上は2割、現役並みは3割) 約10〜20万円

介護費用の目安

項目 金額
介護の平均期間 約4年7ヶ月
一時的な費用(住宅改修等) 平均47万円
月額費用 平均9.0万円
介護にかかる総額 約540万円

※生命保険文化センター「生命保険に関する全国実態調査」参考

医療・介護費用として 500〜600万円 を予備費として確保しておくと安心です。

60代で避けたい失敗

1. 退職金を銀行の営業に乗せられて投資

退職金入金後に銀行や証券会社から「特別プラン」の案内が届きますが、手数料の高い投資信託や仕組債が含まれていることが多いです。自分で低コストのインデックスファンドを選びましょう。

2. 資産をすべて預金にする

元本は守れますが、インフレで実質的に目減りします。20年後には購買力が大幅に低下するリスクがあります。

3. 取り崩し計画を立てない

「なんとなく」使っていると、想定より早く資産が枯渇します。年間の取り崩し額と資産寿命を計算しておきましょう。

4. 年金制度を理解しないまま受給開始

繰下げ受給で年金を最大84%増額できる可能性を知らずに、65歳で受け取り始めるケースが多いです。自分の状況に最適な受給開始時期を検討しましょう。

5. 相続対策を後回しにする

相続は元気なうちに準備すべきテーマです。遺言書の作成、贈与の活用、不動産の整理など、早めの着手が大切です。

70代に向けての準備

確認・検討すべきこと

  1. 後期高齢者医療制度 :75歳からの医療費負担の仕組みを理解する
  2. 資産の簡素化 :複数の口座をまとめ、管理しやすい状態に
  3. 認知症対策 :家族信託や任意後見制度の検討
  4. 相続計画 :遺言書の作成、生前贈与の実施

資産管理の引き継ぎ

対策 概要 目安時期
資産一覧の作成 すべての口座・資産をリスト化 60代のうちに
家族への共有 資産状況を配偶者・子どもと共有 60代のうちに
家族信託 認知症に備えて信託契約を締結 70歳頃まで
遺言書 法的に有効な遺言書を作成 70歳頃まで

Welvioでの活用

Welvioを使えば、60代の複雑な資産管理を一元的に把握できます。

  • 取り崩しシミュレーション :現在の資産で何歳まで生活費を賄えるか試算
  • 複数口座の一元管理 :新NISA、iDeCo、特定口座、退職金運用口座をまとめて可視化
  • 資産配分の確認 :年齢に合った守りのポートフォリオになっているかチェック
  • 目標達成率の追跡 :資産寿命の目標に対する進捗を確認

60代からの資産管理を、Welvioがサポートします。

※情報は記事作成時点のものです