ドルペッグ(Dollar Peg) とは、自国通貨の為替レートを米ドルに対して一定の水準に固定する制度です。
ドルペッグの基本
| 項目 |
内容 |
| 定義 |
自国通貨を米ドルに連動させる為替制度 |
| 維持方法 |
中央銀行の為替介入と外貨準備 |
| 目的 |
為替の安定、貿易・投資の促進 |
| 前提条件 |
十分な外貨準備 |
主なドルペッグ採用国
| 国・地域 |
通貨 |
ペッグレート |
方式 |
| 香港 |
香港ドル(HKD) |
1USD=7.75〜7.85HKD |
カレンシーボード |
| サウジアラビア |
サウジリヤル(SAR) |
1USD=3.75SAR |
固定ペッグ |
| UAE |
ディルハム(AED) |
1USD=3.6725AED |
固定ペッグ |
| バーレーン |
バーレーンディナール(BHD) |
1USD=0.376BHD |
固定ペッグ |
| カタール |
カタールリヤル(QAR) |
1USD=3.64QAR |
固定ペッグ |
ドルペッグの仕組み
自国通貨が米ドルに対して下落圧力
→ 中央銀行がドルを売り、自国通貨を買う
→ 為替レートを維持
自国通貨が米ドルに対して上昇圧力
→ 中央銀行がドルを買い、自国通貨を売る
→ 為替レートを維持
ドルペッグのメリット
| メリット |
説明 |
| 為替リスクの排除 |
対ドル取引で為替変動がない |
| インフレの抑制 |
ドルの安定性を借りて物価を安定 |
| 投資の呼び込み |
為替リスクがないため海外投資を促進 |
| 信認の確保 |
自国通貨の信用力が低い場合に有効 |
ドルペッグのデメリット
| デメリット |
説明 |
| 金融政策の制約 |
米国の金利に追随する必要がある |
| 外貨準備の負担 |
大量のドルを保有する必要 |
| 経済の不整合 |
自国経済と米国経済のサイクルが異なる場合に問題 |
| 投機攻撃 |
ペッグ維持が困難とみなされると投機の標的に |
香港ドルのカレンシーボード制
| 項目 |
内容 |
| 開始 |
1983年 |
| 許容範囲 |
1USD=7.75〜7.85HKD |
| 維持方法 |
香港金融管理局(HKMA)の介入 |
| 外貨準備 |
約4,000億ドル以上 |
| 特徴 |
法律で保証された最も厳格なペッグ |
ドルペッグが崩壊した事例
| 事例 |
年 |
内容 |
| タイバーツ |
1997年 |
アジア通貨危機でペッグ放棄、変動相場制へ |
| アルゼンチンペソ |
2002年 |
カレンシーボード崩壊、通貨が大幅下落 |
| エジプトポンド |
2016年 |
ペッグ放棄、通貨が約50%下落 |
| レバノンポンド |
2020年 |
事実上のペッグ崩壊、通貨が90%以上下落 |
投資家への影響
| 影響 |
説明 |
| 為替リスクの軽減 |
ドルペッグ通貨建て資産はドルリスクに収斂 |
| 金利の連動 |
ペッグ国の金利は米国金利に近い |
| ペッグ崩壊リスク |
崩壊時は急激な為替変動が発生 |
| ドル建て投資との類似性 |
ドルペッグ通貨への投資はドル投資に近い |
Welvioでの活用
Welvioで香港株やサウジアラビアETFなどドルペッグ通貨建ての資産を管理する際、実質的にはドル建て資産と同等の為替リスクであることを理解して管理してください。