ドンチャンチャネル(Donchian Channel) とは、一定期間(通常20日)の最高値と最安値を結んだバンドで構成されるシンプルなトレンド系テクニカル指標です。リチャード・ドンチャンが開発し、「タートルズ」のブレイクアウト戦略で有名になりました。
ドンチャンチャネルの構成
上部バンド = 過去N期間の最高値
中心線 = (最高値 + 最安値) ÷ 2
下部バンド = 過去N期間の最安値
標準設定: N = 20期間
ドンチャンチャネルの計算例
過去20日の価格推移:
最高値: 1,200円
最安値: 1,000円
上部バンド = 1,200円
中心線 = (1,200 + 1,000) ÷ 2 = 1,100円
下部バンド = 1,000円
ドンチャンチャネルの特徴
| 特徴 |
説明 |
| シンプル |
計算が非常に単純 |
| 明確 |
最高値・最安値が一目瞭然 |
| トレンド判断 |
バンドの傾きでトレンドがわかる |
| ブレイクアウト |
新高値・新安値の検出に最適 |
ドンチャンチャネルの見方
| 状態 |
意味 |
| 上部バンド突破 |
過去N日の最高値更新(買いシグナル) |
| 下部バンド突破 |
過去N日の最安値更新(売りシグナル) |
| バンド幅拡大 |
ボラティリティ増加、トレンド発生 |
| バンド幅縮小 |
ボラティリティ減少、保ち合い |
タートルズのブレイクアウト戦略
タートルズの手法:
エントリー:
20日の最高値突破 → 買い
20日の最安値突破 → 売り
エグジット:
10日の最安値突破 → 買いポジション手仕舞い
10日の最高値突破 → 売りポジション手仕舞い
→ 伝説的なトレンドフォロー戦略
ドンチャンチャネルの基本戦略
| 戦略 |
エントリー |
エグジット |
| 20日ブレイクアウト |
20日最高値突破 |
10日最安値突破 |
| 逆張り |
バンドタッチで逆張り |
中心線到達 |
| トレンドフォロー |
バンド突破後の押し目 |
バンド反対側到達 |
期間設定の違い
| 期間 |
特徴 |
向いている戦略 |
| 5〜10日 |
短期、反応早い、だまし多い |
スキャルピング |
| 20日 |
標準、バランス良い |
タートルズ戦略 |
| 50日 |
長期、だまし少ない、遅い |
長期トレンドフォロー |
ドンチャンチャネルの活用法
| 活用法 |
説明 |
| ブレイクアウト |
新高値・新安値で順張り |
| トレンド判断 |
バンドの傾きでトレンド方向 |
| ボラティリティ |
バンド幅で変動性を測定 |
| サポート・レジスタンス |
バンドが支持・抵抗線として機能 |
ブレイクアウトの信頼性を高める方法
1. 出来高確認:
バンド突破時に出来高増加
→ 信頼性高い
2. だましフィルター:
前回のブレイクアウトが失敗した場合、
次回は見送る(タートルズの手法)
3. 複数時間軸:
日足+週足でダブル確認
ドンチャンチャネルの強み
| 強み |
説明 |
| シンプル |
誰でも理解しやすい |
| 客観的 |
最高値・最安値は明確 |
| 実績 |
タートルズで実証済み |
| トレンド捕捉 |
大きなトレンドを逃さない |
ドンチャンチャネルの弱み
| 弱み |
説明 |
| レンジ相場 |
だましが多発 |
| 遅行性 |
バンド更新まで時間がかかる |
| 利小損大リスク |
ブレイクアウト失敗が続くと損失 |
他の指標との組み合わせ
| 組み合わせ |
活用法 |
| ADX |
トレンドの強さ確認(ADX>25で有効) |
| RSI |
過熱感の確認 |
| 出来高 |
ブレイクアウトの信頼性 |
| 移動平均線 |
トレンド方向の確認 |
ボリンジャーバンド・ケルトナーチャネルとの比較
| 指標 |
中心線 |
バンド |
特徴 |
| ドンチャンチャネル |
(高値+安値)/2 |
最高値・最安値 |
シンプル |
| ボリンジャーバンド |
SMA |
±標準偏差 |
統計的 |
| ケルトナーチャネル |
EMA |
±ATR |
ボラティリティ |
実践例(タートルズ方式)
買いエントリー:
1. 株価が20日最高値を突破
2. 出来高が増加
3. ADXが25以上(トレンドあり)
→ 買いポジション
利益確定・損切り:
10日最安値を下回ったら手仕舞い
結果:
・勝率は40%程度
・しかし大きなトレンドを捉えられる
・損小利大で最終的にプラス
ドンチャンチャネルの注意点
| 注意点 |
説明 |
| レンジで不利 |
横ばい相場で損失が続く |
| だましあり |
ブレイクアウト失敗も多い |
| 精神的負担 |
勝率が低いため忍耐が必要 |
| 資金管理 |
ポジションサイズ管理が重要 |
タートルズの資金管理
ポジションサイズ = リスク額 ÷ (N × ドル価値)
N = 20日のATR
例:
資金: 1,000万円
リスク許容: 2%(20万円)
N(ATR): 50円
ポジションサイズ = 20万円 ÷ 50円 = 4,000株
ドンチャンチャネルの歴史
開発者: リチャード・ドンチャン
1960年代に考案
「トレンドフォローの父」と呼ばれる
タートルズ(1980年代):
リチャード・デニスがドンチャンの手法をベースに
弟子たちを億万長者に育てた
→ ブレイクアウト戦略の有効性を実証
Welvioでの活用
Welvioで保有銘柄のドンチャンチャネルを表示し、過去の最高値・最安値を意識したブレイクアウト戦略を検討できます。