内部収益率(IRR: Internal Rate of Return) とは、投資プロジェクトのNPV(正味現在価値)がちょうどゼロになる割引率のことです。投資の期待利回りを表し、ハードルレート(要求利回り)との比較で投資の採否を判断します。
IRRの基本
IRRの定義:
NPV = 0 となる割引率(r)を求める
-初期投資 + CF1/(1+r)^1 + CF2/(1+r)^2 + ... = 0
判断基準:
IRR > ハードルレート → 投資すべき
IRR < ハードルレート → 投資すべきでない
例:
IRR = 12%、ハードルレート = 8%
→ 要求利回りを上回るので投資すべき
IRRの計算例
投資案件:
初期投資: 1,000万円
1年目CF: 400万円
2年目CF: 500万円
3年目CF: 400万円
IRRを求める:
-1,000 + 400/(1+r) + 500/(1+r)^2 + 400/(1+r)^3 = 0
→ IRR ≒ 14.3%
ハードルレートが10%の場合:
14.3% > 10% → 投資実行
IRRの活用場面
| 場面 |
活用法 |
| 不動産投資 |
物件の投資利回りを評価 |
| PE/VCファンド |
ファンドのパフォーマンス評価 |
| 設備投資 |
企業の投資判断 |
| 株式投資 |
投資の期待リターンを評価 |
IRRのメリット
| メリット |
説明 |
| 直感的 |
利回り(%)で表示されわかりやすい |
| 規模に依存しない |
投資額の大小を問わず比較可能 |
| 時間価値を考慮 |
お金の時間的価値を反映 |
| 業界標準 |
PE・VC業界で広く使用 |
IRRのデメリット
| デメリット |
説明 |
| 複数解の可能性 |
CFの符号が変わると複数のIRRが存在 |
| 再投資の仮定 |
CFがIRRと同率で再投資される前提 |
| 規模を無視 |
100万円のIRR20%と10億円のIRR15%の比較 |
| 計算の複雑さ |
手計算では求められない(反復計算が必要) |
不動産投資でのIRR
マンション投資:
購入価格: 3,000万円
年間賃料収入: 180万円(経費控除後)
5年後の売却価格: 2,800万円
CF: -3,000, 180, 180, 180, 180, 180+2,800
IRR ≒ 4.8%
→ 期待リターンが4.8%
→ 借入金利より高ければ投資妙味あり
IRRとNPVの使い分け
| 状況 |
推奨手法 |
| 単独の投資判断 |
IRRでもNPVでも可 |
| 複数案件の優先順位 |
NPVを優先 |
| 投資家への説明 |
IRRが直感的 |
| 規模が異なる案件 |
NPVが適切 |
| PE/VCファンド |
IRRが業界標準 |
IRRの注意点
| 注意点 |
説明 |
| IRRだけで判断しない |
NPVやその他の指標と併用 |
| 再投資前提に注意 |
修正IRR(MIRR)の活用も検討 |
| ハードルレートの設定 |
適切なハードルレートが必要 |
| 長期 vs 短期 |
短期のIRR高い案件が必ずしも有利でない |
Welvioでの活用
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