ケルトナーチャネル(Keltner Channel) とは、移動平均線を中心に、ATR(Average True Range、平均真の範囲)を加減したバンドで構成されるトレンド系テクニカル指標です。チェスター・ケルトナーが開発しました。
ケルトナーチャネルの構成
上部バンド = EMA + (ATR × 倍率)
中心線 = EMA(通常20期間)
下部バンド = EMA - (ATR × 倍率)
ATR倍率: 通常2.0
ケルトナーチャネルの計算
標準設定:
EMA期間: 20日
ATR期間: 10日
ATR倍率: 2.0
例:
20日EMA = 1,000円
10日ATR = 50円
倍率 = 2.0
上部バンド = 1,000 + (50 × 2) = 1,100円
中心線 = 1,000円
下部バンド = 1,000 - (50 × 2) = 900円
ボリンジャーバンドとの違い
| 項目 |
ボリンジャーバンド |
ケルトナーチャネル |
| 中心線 |
SMA |
EMA |
| バンド幅 |
標準偏差 |
ATR |
| 特徴 |
統計的 |
ボラティリティ直接反映 |
| 反応 |
早い |
やや遅い |
ケルトナーチャネルの見方
| 状態 |
意味 |
| バンド幅拡大 |
ボラティリティ増加、トレンド発生 |
| バンド幅縮小 |
ボラティリティ減少、保ち合い |
| 上部バンド突破 |
強い上昇トレンド |
| 下部バンド突破 |
強い下降トレンド |
| バンド内推移 |
レンジ相場 |
ケルトナーチャネルの基本戦略
| 戦略 |
エントリー |
エグジット |
| トレンドフォロー |
バンド突破で順張り |
中心線到達 |
| レンジ逆張り |
バンドタッチで逆張り |
中心線到達 |
| ブレイクアウト |
バンド外確定で順張り |
ATRの2〜3倍 |
トレンドフォロー戦略
上昇トレンド:
価格が上部バンドを超えて推移
→ 強い上昇トレンド継続中
→ 押し目(中心線付近)で買い増し
下降トレンド:
価格が下部バンドを下回って推移
→ 強い下降トレンド継続中
→ 戻り(中心線付近)で売り増し
ブレイクアウト検出
バンド突破 + 出来高増加 = ブレイクアウト
買いシグナル:
1. 価格が上部バンド突破
2. 出来高が平均の1.5倍以上
3. 終値がバンド外で確定
→ 上昇ブレイクアウト
売りシグナル:
1. 価格が下部バンド突破
2. 出来高が平均の1.5倍以上
3. 終値がバンド外で確定
→ 下降ブレイクアウト
スクイーズ(圧縮)
バンド幅が収縮:
→ ボラティリティが低下
→ エネルギー蓄積中
→ 近いうちに大きく動く可能性
スクイーズ後のブレイクアウト:
→ 強力なトレンド発生の兆候
パラメータ設定
| パラメータ |
標準 |
短期 |
長期 |
| EMA期間 |
20 |
10 |
50 |
| ATR期間 |
10 |
5 |
20 |
| ATR倍率 |
2.0 |
1.5 |
2.5 |
ケルトナーチャネルの強み
| 強み |
説明 |
| トレンド判断 |
明確なトレンド方向 |
| ブレイクアウト検出 |
バンド突破で早期検出 |
| ノイズ除去 |
ATR使用でだまし減少 |
| 汎用性 |
株式・FX・先物すべてで使える |
ケルトナーチャネルの弱み
| 弱み |
説明 |
| レンジ相場 |
だましが増える |
| 遅行性 |
移動平均を使うため遅れる |
| 急変動 |
ギャップに対応しにくい |
他の指標との組み合わせ
| 組み合わせ |
活用法 |
| RSI |
過熱感の確認 |
| MACD |
トレンド方向の確認 |
| 出来高 |
ブレイクアウトの信頼性 |
| ADX |
トレンドの強さ確認 |
ボリンジャーバンドとの併用
ケルトナーチャネル内にボリンジャーバンドを重ねる:
スクイーズ(圧縮):
ボリンジャーバンドがケルトナー内に収まる
→ ボラティリティ極小、ブレイクアウト待ち
エクスパンション(拡張):
ボリンジャーバンドがケルトナー外に出る
→ 強いトレンド発生
実践例
買いエントリー:
1. 価格が長期間レンジ(バンド幅狭い)
2. 出来高増加しながら上部バンド突破
3. RSIが50超え
4. MACDもゴールデンクロス
→ 上昇ブレイクアウト、買い
利益確定:
1. 価格が中心線まで戻る
または
2. ATRの2〜3倍の利益確保
ケルトナーチャネルの注意点
| 注意点 |
説明 |
| だましあり |
バンドタッチは必ず反転しない |
| トレンド相場向き |
レンジでは精度低下 |
| パラメータ調整 |
銘柄により最適値が異なる |
| 単独使用避ける |
他の指標と併用推奨 |
ケルトナーチャネルの歴史
開発者: チェスター・ケルトナー
1960年代に考案
当初: 10日SMAと10日ATRを使用
現代版: リンダ・ラシュキが改良
・SMAからEMAへ変更
・より滑らかで反応の良いチャネル
Welvioでの活用
Welvioで保有銘柄のケルトナーチャネルを表示し、トレンドの強さやブレイクアウトのタイミングを判断できます。