投下資本利益率(ROIC: Return on Invested Capital) とは、事業に投下した資本からどれだけ利益を生み出したかを示す指標です。資本効率を測る重要な経営指標として、企業価値評価やM&Aで重視されます。
ROICの計算
ROIC = NOPAT ÷ 投下資本 × 100
NOPAT = 営業利益 × (1 - 税率)
投下資本 = 有利子負債 + 株主資本
= 固定資産 + 運転資本
例:
NOPAT: 100億円
投下資本: 800億円
ROIC = 100 ÷ 800 × 100 = 12.5%
ROICとROE、ROAの違い
| 指標 |
分子 |
分母 |
視点 |
| ROIC |
NOPAT |
投下資本 |
事業の収益力 |
| ROE |
純利益 |
株主資本 |
株主の収益力 |
| ROA |
純利益 |
総資産 |
資産全体の効率 |
ROICの特徴
| 特徴 |
説明 |
| 本業の効率を測定 |
営業利益ベースで計算 |
| 資本構成の影響を除去 |
有利子負債も含む |
| 国際比較しやすい |
財務レバレッジの影響が少ない |
| WACCと比較可能 |
価値創造の判断基準 |
ROICとWACCの関係
ROIC > WACC → 価値を創造している
ROIC = WACC → 価値の創造も破壊もなし
ROIC < WACC → 価値を破壊している
例:
ROIC: 12%、WACC: 8%
→ 4%分だけ価値を創造
→ EVA(経済的付加価値)がプラス
ROICの目安
| ROIC |
評価 |
| 15%以上 |
非常に高い収益力 |
| 10〜15% |
高い収益力 |
| 7〜10% |
平均的 |
| 7%未満 |
資本効率が低い |
業種別のROIC目安
| 業種 |
ROIC目安 |
| IT・ソフトウェア |
15〜25% |
| 製薬 |
10〜20% |
| 製造業 |
8〜15% |
| 小売業 |
8〜12% |
| 公益事業 |
5〜8% |
ROICの活用
| 用途 |
内容 |
| 経営判断 |
事業ポートフォリオの見直し |
| 投資判断 |
資本効率の高い企業を選択 |
| M&A評価 |
買収後のROIC改善を検討 |
| 比較分析 |
同業他社との効率性比較 |
ROICの注意点
| 注意点 |
説明 |
| 投下資本の定義 |
計算方法が複数ある |
| 短期視点になりがち |
長期投資が評価されにくい |
| 業種差が大きい |
単純比較は危険 |
| 成長企業は低め |
積極投資で一時的に低下 |
Welvioでの活用
Welvioで保有銘柄の財務データからROICを算出し、資本効率の観点から投資判断の材料にできます。