システミックリスク(Systemic Risk) とは、金融システム全体に波及する大規模なリスクのことです。一つの金融機関の破綻が連鎖的に他の機関や市場全体に影響を与え、経済全体を危機に陥れる可能性があります。
システミックリスクの特徴
| 特徴 |
説明 |
| 連鎖性 |
一つの破綻が他に波及 |
| 規模の大きさ |
金融システム全体に影響 |
| 予測困難 |
いつ発生するか分からない |
| 対処が難しい |
個別対応では解決困難 |
システミックリスクの発生メカニズム
1. 大手金融機関Aが経営危機に
↓
2. Aと取引のある金融機関Bが損失
↓
3. Bの取引先Cも影響を受ける
↓
4. 金融機関同士の信用収縮
↓
5. 市場全体でパニック売り
↓
6. 実体経済にも波及(融資凍結など)
過去のシステミックリスク事例
| 事例 |
年 |
概要 |
| リーマンショック |
2008年 |
米投資銀行破綻で世界金融危機 |
| LTCM破綻 |
1998年 |
大手ヘッジファンド破綻 |
| アジア通貨危機 |
1997年 |
タイから始まった通貨危機 |
| 日本の金融危機 |
1997-98年 |
山一證券等の破綻 |
リーマンショックの教訓
2008年9月15日:
リーマン・ブラザーズが経営破綻
波及効果:
- 世界の株式市場が暴落
- 金融機関の連鎖破綻の危機
- 世界的な信用収縮
- 実体経済への深刻な影響
対策:
- 各国政府による金融機関救済
- 中央銀行による流動性供給
- 金融規制の強化(バーゼルIII)
システミックリスクへの対策
規制当局の対策
| 対策 |
内容 |
| 自己資本規制 |
バーゼル規制で資本を強化 |
| ストレステスト |
金融機関の耐性を検査 |
| SIFI指定 |
システム上重要な金融機関を監視 |
| 預金保険 |
預金者保護で取り付け防止 |
投資家としての対策
| 対策 |
内容 |
| 分散投資 |
資産クラス・地域を分散 |
| 現金比率 |
一定の現金を保有 |
| 金投資 |
危機時のヘッジ |
| 国債投資 |
安全資産への分散 |
Too Big to Fail
「大きすぎて潰せない」
規模が大きい金融機関は:
- 破綻するとシステミックリスクが発生
- 政府が救済せざるを得ない
- モラルハザードの問題
対策:
- SIFI(システム上重要な金融機関)への追加規制
- 生前遺言(破綻時の処理計画)の義務化
システミックリスクと分散投資の限界
通常時: 分散投資でリスクを軽減
システミックリスク発生時:
- 相関係数が上昇
- ほぼ全ての資産が同時に下落
- 分散投資の効果が薄れる
対策:
- 現金や金など「真の安全資産」を保有
- 暴落時は売らない(長期視点)
個人投資家ができること
| 対策 |
説明 |
| 長期投資 |
短期の暴落に惑わされない |
| 緊急資金 |
投資とは別に現金を確保 |
| 金融危機の歴史を学ぶ |
パニックにならない心構え |
| 借金で投資しない |
暴落時に追い詰められない |
Welvioでの活用
Welvioでポートフォリオの分散状況を確認し、システミックリスクに備えた資産配分を検討できます。現金や金などの安全資産の比率もチェックしましょう。