EVA(Economic Value Added / 経済的付加価値) とは、企業が株主や債権者の期待する最低限のリターン(資本コスト)を上回る利益を生み出しているかを測る指標です。
EVAの計算式
EVA = NOPAT - (投下資本 × WACC)
NOPAT: 税引後営業利益(Net Operating Profit After Tax)
投下資本: 事業に投下されている資本の合計
WACC: 加重平均資本コスト
計算例
NOPAT: 50億円
投下資本: 400億円
WACC: 8%
資本コスト = 400億 × 8% = 32億円
EVA = 50億 - 32億 = 18億円(プラス → 価値創造)
EVAの読み方
| EVA |
意味 |
| プラス |
資本コストを上回る利益を生んでいる(企業価値を創造) |
| ゼロ |
資本コストちょうどの利益(株主の期待にちょうど応えている) |
| マイナス |
資本コストを下回っている(企業価値を毀損) |
EVAとROEの違い
| 指標 |
特徴 |
限界 |
| ROE |
自己資本に対するリターン |
資本コストを考慮しない |
| EVA |
資本コストを差し引いた真の付加価値 |
計算が複雑 |
具体例
| 企業 |
ROE |
資本コスト |
EVAの評価 |
| A社 |
12% |
10% |
プラス(真に価値を創造) |
| B社 |
8% |
10% |
マイナス(ROEは正でも価値毀損) |
EVAを改善する方法
| 方法 |
内容 |
| 利益の拡大 |
売上増加・コスト削減でNOPATを増やす |
| 投下資本の効率化 |
不採算事業の縮小・遊休資産の売却 |
| 資本コストの低減 |
最適な資本構成の追求 |
東証の資本効率改善要請との関連
東京証券取引所は2023年以降、上場企業に対して資本コストや株価を意識した経営を要請しています。EVAはこの要請に対する経営の成果を測る指標として注目されています。
| 指標 |
東証が重視する観点 |
| PBR 1倍割れ |
企業価値が解散価値を下回っている |
| ROE < 資本コスト |
EVAがマイナス → 改善が必要 |
| EVA向上 |
真の企業価値創造を実現 |
注意点
- NOPATやWACCの算出には会計調整が必要で、計算が複雑になりがち
- 短期的なEVA向上のために長期投資を抑制するリスクがある
- WACCの推定値によって結果が大きく変わるため、前提条件に注意
Welvioでの活用
Welvioで保有銘柄のROEと資本コストを比較し、企業が真に価値を創造しているかをEVAの考え方で評価してください。